こんにちは、Sokoageの宮澤です。
普段ぼくは、あまりこういった新機能の紹介みたいなことは書かないんですが、今回は珍しくイラレに備わった新機能を1つご紹介したいと思います。
というのも、これまで新しく追加された機能をすぐに日常的に使うことはあまりなかったんですが、今回ご紹介する新機能「クロスと重なり」は即戦力級に使えると思ったのでご紹介します。
この「クロスと重なり」は、その名の通りオブジェクトが重なっている部分の前後関係を簡単に編集することが出来る新機能です。これまでは、個別に編集しなければいけなかったので少し面倒でしたが、この機能の実装でかなり楽になりました。
ぼく的にはロゴやアイコンを作る時の操作が、特にやりやすくなったと思いますのでご紹介していきます。
「クロスと重なり」とは
この「クロスと重なり」という新機能の概要をまずはご紹介しておきたいと想います。
Adobeオフィシャルでの紹介はこうです。
デザインに深みと奥行きを加える場合、Illustrator のクロスと重なりを使用すると、ダイナミックな新しい方法でオブジェクトを重ねることができます。クロスと重なりは、様々なシェイプ、テキスト、2D および 3D オブジェクトに対して適用でき、適用したアイテムは編集できます。
少し難しく表現されていますが、簡単に言うと「2つの重なっているオブジェクトを直感的な操作で、部分的に前後の入れ替えが出来る」という事です。
これまでは、この操作をしようとすると該当の部分を別オブジェクトにしたり、パスで細かく分けたり…とにかく2手間3手間が必要な少し複雑な作業でした。
今回の「クロスと重なり」によって、オブジェクトを分解することなく重なりの編集が出来るので、そのあとの修正作業なども抜群に便利になりました。
「クロスと重なり」の操作方法
それでは、ここからは実際に「クロスと重なり」の操作方法について、ご紹介していきます。
操作としては非常に簡単なので、以下の4STEPに分けてご紹介していきます。
- 2つのオブジェクトを用意する。
- 2つのオブジェクトが選択された状態で「クロスと重なり」を作成。
- なげわで編集したい部分を囲う。
- 重ね順が編集されて完成。
1.2つのオブジェクトを用意する。
まずは、任意のオブジェクトを2つ用意します。
ただただオブジェクトが重なっているだけでは、今回の「クロスと重なり」の意味がないので、上図のように2点以上重なる部分があるようにオブジェクトを用意してください。
2つのオブジェクトが選択された状態で「クロスと重なり」を作成。
オブジェクトが準備出来たら、そのオブジェクトが選択された状態で「オブジェクト > クロスと重なり > 作成」をクリックしてください。
この操作で該当のオブジェクトがグループ化されて、このグループ内で「クロスと重なり」の操作が有効になります。
3.なげわで編集したい部分を囲う。
「クロスと重なり」が有効な状態になると、マウスポインタがなげわに変わります。
この、なげわで編集したい部分を囲う事で、該当の箇所が編集されます。
4.重ね順が編集されて完成。
囲いが出来たら、その時点で前後が入れ替わっているはずです。
上図のように、オブジェクトは分解されずそのままの状態で重なりの順番が編集されています。
「クロスと重なり」を適応すると、わかりやすく言うとオリンピックのロゴのような感じで、任意の部分を簡単に前後関係を入れ替えることが可能になります。
その後の編集も簡単。
一度「クロスと重なり」を有効にしたグループ内のオブジェクトは、その編集内容を保持するのでその後の編集も簡単です。
上図のように、それぞれのオブジェクトに線幅を変えても、先ほどなげわで囲った部分の前後関係はそのままで線幅を調整することが可能です。
テキストにも適応可能。
この「クロスと重なり」の評価が高い点として、オブジェクトだけではなくテキストへも適応が可能だということです。
前述までと同じ操作で、上図のようにテキストにも適応が可能です。
もちろん、アウトラインしていないテキストに適応出来るので、のちにフォントに修正などが可能です。
ただし、フォントの種類が大幅に変わる場合、なげわで囲った範囲から外れるので適応が外れてしまうことがあります。
その場合は、該当のグループを選択した状態で「オブジェクト > クロスと重なり > 解除」を選択すると、この「クロスと重なり」が解除されて元の状態に戻りますので、そこから改めて編集するようにしましょう。
動画でも視聴できます!
今回の新機能については動画でも解説しております。
実際の操作方法など、詳しくご覧になりたい方は、こちらもぜひチェックしてみてください!
まとめ
今回は新しく、イラレに実装された「クロスと重なり」についてご紹介しました。
なんとなく、この記事を見て頂いただけで「かなり便利そう!」と思って頂けると想います。
冒頭でも触れましたが、特にロゴやアイコンなど複雑なオブジェクトを触る場合には抜群に効率が上がります。
まだこの機能に触れてない方は、ぜひこの機会に「クロスと重なり」を使ってみてください!
最後までお読み頂き、ありがとうございました!