世の中には、マンモスくらいの大企業から、小規模事業者まで、様々な企業や事業者が存在します。そのどれもが、「売上を伸ばしたい」と考えているはずです。そのためにオフラインからオンラインまで多種多様なマーケティング施策を行っています。
今回は、その中でも今最もアツい動画活用について、今まで仕事で50本以上の動画制作に携わってきた、わたくしitottyがご紹介していきます。
この記事を読んで、あなたのビジネスに最適な動画の活用方法を見出してくださいね!
企業がマーケティングに動画を活用すべき5つの理由
早速ですが、なぜ動画を使ったマーケティングが今注目されているのでしょうか。まずはその活用すべき理由を5つにまとめました。
1,情報量の多さ
まず特筆すべきは、動画や映像作品の情報量の多さです。例え、数分の動画であっても、テキストの数千倍の情報量にもなります。
1分間の動画の情報量は、180万言語、3,600のWEBページ分に匹敵します
参照元:ボクシルマガジン
勿論、動画を制作する上で、企画の段階でしっかりと情報量を動画へと落とし込んで、視聴者に伝えたり訴えかける内容でないと効果的に反映されません。
例えば、新しい商品の魅力を何かコンテンツを使って伝えたい時。新しく商品パンフレットを作る時、おおよそ2~3ページ、少なくてもA4用紙2ページ分くらいにはなってしまいます。商品のPRポイントやメリット、背景にある物語、値段…挙げだしたらキリがありませんね。
簡単な話、そういう“お客様に知ってもらいたい情報”を伝える時に、パンフレットを渡してさらに営業の人が何十分もプレゼンを行うより、動画を一分間見せれば済んでしまうことがあるのです。これが動画を活用すべき第一の理由です。
2,コスパの良さ
次にコスパの良さです。
マーケティング担当者だけではなく、仕事で何かを企画して動かす時には、常にコスパを意識するものですよね。
同じように、新商品のチラシを例に挙げてみましょう。新しい商品を宣伝するために、チラシを作る。まずはデザイン、ここでコストがかかります。さらに何部も印刷して、それを伝えるために営業の人がプレゼン資料を作って、色々な代理店に配って…。人件費も消耗品費用もかなりかかってしまいます。
それに比べて動画の場合、制作費は高いというイメージがありますが、例えば20~30万円で制作できた場合、もうすでにチラシを一から作って刷るより、コストが抑えられています。更に、動画の場合、オフラインでのプレゼンテーションやデジタルサイネージ、オフラインでは各種SNSやWEBページで何度も使い回しができます。
これが動画というコンテンツのコスパの良さです。初期費用を払ってしまえば、あとは工夫次第で拡散して、チラシをばらまくより人件費が抑えられたりするのです。
3,伝わりやすい
第一の理由として情報量の多さを挙げましたが、動画の持つ側面として、情報量に反して、伝えやすさという面でも優れています。
会社の雰囲気、商品の色形、ホテルの客室の大きさ。これら全てを口頭や写真で伝えようとすると、ある程度誤魔化せてしまうと世の中の人々はわかっています。動画の場合だと、例えばホテルの客室の広さを伝えるのに、誤魔化しが効かないので、お客様が本当に欲しいと思っている情報を的確に伝えられます。
更に、動画の中に自分を見つける、所謂内省化や追体験を映像を通して行うことで、視聴者が感情移入したり、実際にあったかのように感じることができます。人間と感情は切り離せません。
これは映画などの芸術の手法と同じです。作品の中に自分を見つけることで、実際にその立場になって考えることができる。動画は動くものですから、登場人物が涙したり、叫んだり、そういったアクションでより身近に捉えることができます。
これが、動画が物事を伝えやすくしている理由です。
4,思わぬ拡散力がある
まずこちらの動画をご覧ください。
これは、日本の動画マーケティングで成功例としてよく挙げられる動画で、岩手県の東山堂様というピアノ教室が、作った動画です。
結婚式で娘の前でピアノを披露することになった父親が、娘の成長を思い出しながら必死にピアノを練習するという内容なのですが、なんとYouTubeで再生回数が370万回を突破しています。そこらへんのミュージシャンのPVと同じくらいです。
この動画のすごいところは、岩手県の盛岡という決して都心ではないところの、決して店舗数の多くのない地元の企業が、日本中に知られているということです。TVCMよりも低予算で、TVCMよりも見られる可能性を秘めているのですね。
今や誰でもスマフォでSNSをみたり、動画を簡単に見れる環境になっているです。この動画が、例えば、文字や写真でどこかのWEBページに私小説のように掲載されていると、日の目をみなかったかもしれません。動画だからこそできたことで、こういった思わぬ拡散力があるのも動画のメリットなのです。
5,資産となる
資産というと、設備やお金のことを思い浮かべてしまいますが、ちょっと違った意味合いでの使い方です。動画やその他のWEBコンテンツは、本来の用途と違った形でその企業の資産となります。例えば、広告収入が何百万円も出るほどのメディアを作ることができれば、それは企業の売上になります。
そしてそこに掲載されている数々のコンテンツが強力な力を発揮するために、まずは良質なコンテンツを蓄積していくことが非常に大切になってくるのです。
例えば、シリーズとして継続的に動画を制作していった場合、今はYouTuberが何千万と広告収入で稼いでる時代ですので、同様のことができる可能性があります。
広告収入の他にも、映像というのはその当時の空気感であったり、肌触りを空間そのままに残す記録的役割もあるので、”会社の歴史”としての資産ともなります。
いかがでしたでしょうか。これら5つの理由をもって、動画というコンテンツを活用することをお勧めします。次に、具体例を出していきたいと思います。
各業界の動画活用事例
では実際にどういったところで動画が使われているのでしょうか?TVCMを作る費用はないけど、WEBやSNS用に動画を制作でき、更にそれを多くの人に見てもらえる!という各業界の実例です。
飲食業界
まずは飲食業界からです。飲食業界ほど、動画と相性のいい業界はないかもしれません。食べ物の味や食感、店のロケーション、店内の雰囲気など、漏らすとこ無く数分で伝えることができます。
こちらが具体例。大阪の中華料理店のイメージ映像なのですが、音や店の雰囲気、メニューの内容などを余すとこ無く動画で伝えています。
こういった実店舗系の動画や、料理の動画は作っている人や作っている料理を実際に出すことで、「美味しそう」や「気軽にいけそう」などの印象を視聴者に植え付けることができます。
人材業界
人材系、と言っても、どの会社もある程度の規模になれば毎年新卒採用を行っていると思うので、人材採用という点に絞って紹介します。
具体例で挙げさせて頂くのは、あの楽天です。楽天の人材採用に向けた、先輩社員のインタビューです。
どうでしょうか、楽天という企業などんなところで、数ある部署がどういった仕事をして、どういう人がどういう職場で働いているのか、動画を見るだけで伝わってきませんか?
この様に、人材採用をする際にも動画というコンテンツは非常に強力な役割を果たします。他社より優秀な人材を確保したいのはどの企業も同じかと思いますが、企業側としても、自社の魅力や実際の雰囲気をきちんと伝える義務はありますよね。優秀な人材は、会社の嘘を見抜けるので…。
ホテル業界
インバウンドや地方創生の活性化で盛り上がりを見せているホテル業界。こちらでも、動画の活用は進んでいます。
ホテルを選ぶお客さんにとって、一番気になるのがホテルの居心地の良さ。写真では余計なところは写さずに、誤魔化すことができてしまいますが、動画はそういったことができません。全てを見せることで、お客さんの期待値と実際に来館した時の満足度をなるべく合わせることができます。
こちらの具体例をご覧ください。
海外の動画なのですが、スタッフ自ら宿泊したお客さんにインタビューすることで、「スタッフの顔」と「実際の声」が伝わる仕組みになっています。
スタッフの顔がわかれば、ホテルへ行く前の不安要素の払拭にもなりますし、実際の声が聞けるのはどんなものにもレビューがついているインターネットの世界ではありがたいことですね。
色々な業界の動画活用事例を紹介してきましたが、これらは全て氷山の一角です。数年前から、様々な業界で、様々な用途で動画が使われています。あなたがいる業界も、工夫次第で動画を存分に活かして、ビジネスを加速させる可能性を持っています。
なぜ企業の担当者は動画に踏み出せないのか?
さて、動画のメリットについてああだこうだと述べてきましたが、次は少しマイナスの面です。ここまで動画というコンテンツが有望とされておきながら、なぜ頻繁に動画を作る企業が少ないのか?また、なぜ一歩を踏み出せない企業がゴマンとあるのかということを3つの理由から触れていきます。
1,コストがかかると思われている
動画の制作には、お金がかかります。きちんと効果のある、人に見られる様な動画を作ろうとするのであれば、安くても10万円、高額になってくると数百万円も余裕でかかります。
それもそのはず、映像という分野の最上級がハリウッドで制作される映画などです。あれもビジネスとしてやっているので、何十億円という制作費に対して、当たれば莫大なバックがあります。
そういったイメージに加え、TVCMは大企業がお金をかけてやるもの、というイメージがどうしてもついてしまい、動画を作るのはお金がかかる、というイメージが払拭しきれていないからです。
さらに、今やスマフォを使えばそれなりの動画が撮れてしまいます。自分で気軽に撮れるからこそ、数十万円ものコストをかけて動画を作るというのは馬鹿げていると考える方も少なくはないです。
2,必要性を感じない
これが最も多いですね。あまり必要性を感じていない、動画を作ることで売上アップに繋がるとは思えない、というのが本音だと思います。
確かに、動画を作ったとしても、見せ方、所謂広報の部分が非常に大切です。動画を作ったはいいものの、仲間内や社内で見るだけの記念品みたいな動画になってしまいがちです。
3,そもそも掲載媒体がない
これも結構多いです。特に中小企業や個人事業などの小規模事業者の方ですと、自社のホームページがなかったり、SNSなんてもっての他、という方々はやはりいらっしゃります。
そんなことしなくても、商売が回ってるからいいじゃねえか!という声もありますし、実際にそういった方々は自身の周りにもいますので、気持ちは痛いほどよくわかります。
手を出さない理由としては、WEBでマーケティングをする手法がわからない、というのが大半だと思います。
これらの理由で、動画活用に踏み出せない企業の担当者の方や、代表の方がいらっしゃいます。この記事を読んでいる方で、動画に根っから興味がない方はいないと思いますが、おそらく上記の理由で踏みとどまってるんじゃないでしょうか?
心配ご無用!
安心してください、そんな方でも、動画をきちんと制作して、マーケティングに活かす方法があるのです。
1,動画のコスト、チラシとどう違う?
まずはコストの面ですが、イベントや会社案内などのチラシを作った企業はほとんどかと思います。その制作費用、いくらくらいかかったでしょうか?広告代理店へのデザイン費用や印刷代含めて、10万円はかかっているんじゃないでしょうか?
動画の場合、一番安いプランで10万円から制作を受けている制作会社は腐るほどあります。さらにそれ以下のプランというのもあります。
チラシよりも動画の方が情報を詰め込めるというお話は先述しましたが、もし新たにチラシを作ろうと考えているのであれば、一度動画制作も検討してみてはいかがでしょうか?
2,動画の必要性は見出すもの
動画を作っても、社内で見せ合うだけで、記念品になってしまう恐れがある…。
大丈夫です。そもそも、動画を作ろうとしているということは、何か伝えたい魅力や商材があるということではないでしょうか?
会社として、誰かに何かを伝えたい、届けたいということは商売の根幹にあると思います。だから、チラシを作るにしろ、ホームページを作るにしろ、そういったものは何をするにしても、必要性を見出して、効果的に訴求させる工夫が必要になってくるのです。
もしこの工夫を怠ったり、そもそもそんなことしなくても生活できるくらいにお金は稼げている企業であれば、何も言うことはありませんし、羨ましい限りです。
3,掲載媒体は簡単に作れる
動画を作っても載せるところがない=マーケティングに結びつかないと嘆いている方、安心してください。Facebookはやっているでしょうか?Instagramは?YouTubeは見ているでしょうか?
一つでもイエスがあれば、簡単に無料で掲載媒体を確保することができます。さらに一歩踏み込んで、ホームページの制作だって、今では無料でできる時代になっています。独自のドメインも簡単にとることができます。(参考記事:オリジナルサイト制作のススメ Vol.1《ドメイン編》)
では掲載してみたものの、WEBマーケティングに疎くて、商売に結びつかないと思っている方へ、大丈夫です、WEBマーケティングを親身に相談してくれる企業や人材は今や星の数ほどいます。あなたにあったマーケティングを提案してくれる企業は、あなたがその気になるとすぐに見つかるはずです。
まずは作ってみる
どうでしょう?動画制作のマイナス面は払拭できたでしょうか?思い立ったが吉日、まずは動画を作ってみることが大切です。
先ほども申し上げた通り、低予算からの制作プランはいくらでもありますし、あまりにもでかい制作会社でない限り、相談には乗ってくれると思います。
まずは自分の事業のここをアピールしたい、例えばそれはわかりにくい自分の事業所の立地でもいいし、自分の人柄でもいいと思います。
まずは、動画を作ってみることが大切です。その一歩が、もしかすると今の経営状態を変えてくれるかもしれません。