企画、出演者、ロケ地探しと、所謂「制作部」のお仕事もひと段落したため、続いては機材の調整や選定です。
BMPCC4Kを使ってUHDのRAW撮影というのは既に決まっていたのですが、今までとは違い機材もワンステップ上のランクのものが必要になっていました。今回組んだ機材をザクっと紹介します。
カメラ:BMPCC/4K
カメラはBlackMagicのPocketCinemaCamera4Kを一台使用しました。RAW収録からのカラーグレーディングの奥深さをここ数年ムシャボリ尽くしているので、いつもの彼にお任せしました。
ただこのBMPCC、ドラマや映画などスケジュールが厳しい撮影に向かないデメリットもあります。それがバッテリー問題。公式のバッテリーでも1時間持ちません。LP-E6という安い互換バッテリーを大量に所持しているのですが、これが体感30分も持たないうえにバッテリー残量表示が超適当です。
今回はカメラにリグを組んで、スライダー→三脚→手持ちとワンタッチで変えられるようにしたかったので、ガチャガチャバッテリーを変えている余裕もありません。
そこで、海外のサイトなどを参考にV-マウントバッテリーを使うことに。V-マウントバッテリーというのは放送用のカメラやシネマカメラに使われるくそでかいバッテリーです。鈍器レベルの重さがあります。
こちらにD-tap端子がついていますので、そこからBMPCCに直接電源供給しました。これでなんと5時間以上も連続稼働できるモンスターが爆誕。(V-マウントバッテリーの容量によります)
しかし、カメラの重さというものを犠牲にし、リグ、外部モニターなどを含めた総重量が6kg以上に…。
三脚:ザハトラー フローテック/FSB8
この重さを支えられ、スムーズなチルトパンが行える三脚を新規導入する必要がありました。
今まではManfrottoの4~5万円レベルのものを使っていましたが、映像制作者の憧れのザハトラーを導入。三脚と雲台だけで30万円くらいしました。笑ってまいます。
しかしやはりいいモノは違う。パンニングもビタァッと止まってくれるうえに、脚の堅牢性も十二分でこれから一生物になりそうです。
音声:ZOOM F4
続いて音声収録。BMPCCの内臓マイクは使えたものじゃないので、今後も想定しフィールドレコーダーを導入。4ch収録可能で、音の質もカメラの内臓収録とは段違いです。
ここからショットガンマイクを伸ばして音声を拾いました。ちなみにマイクはゼンハイザー。今回はナレ録もあったので、きちんと人の声を拾える仕様にしました。
照明:レンタル
今回は夕景がメインだったため、照明を使って夕暮れ感を演出しました。VLPの9000XDを3灯レンタル。プラススポット用にネレネルレンズライトなどを使用しました。
照明はずっとレンタルで使っています(買っても置く場所が無い)。
レンズ:SIGMA Art 18-35mm
レンズはEFマウントのSIGMA Art 18-35mmを愛用していますので、そのままこちらを。シネマレンズ使いたかったのですが、レンタル間に合いませんでした。
こちらのレンズは人の肌の感じとかがすごく綺麗に出るので、よく使っています。あと通してF1.8なので、MFTセンサーでもそれなりのボケ味が出ます。
EFマウントなので、アダプターをカマしてMFTのBMPCCにつけています。
その他
リグを組んでカメラ本体には
- モニター
- フォーカスギア
- 手持ちハンドル
- マイク(予備+編集時確認用)
- レンズサポーター
などをロッドで支えて搭載しました。スライダーにはManfrottoの雲台を取り付けていたのですが、ザハトラーのプレートと合うため、スライダー→三脚→手持ちはスムーズに変更が可能でした。まあ三脚の雲台を外してスライダーを取り付ける作業は必要なのですが、3分あればできました。
主な機材はこれくらいです。
今回初導入なのもいくつかあり、撮影3週間前から急ピッチで色々と揃えました。というか日本での情報が少なすぎて(V-マウントとか)不安で心臓痛かったです。
こちらの機材で他業務の本番兼ねて何度か実践しつつ、いざ『NAISEI』の撮影に挑みました。