FacebookやInstagramを見ていると、自社サービスや自社プロダクトのことを投稿している人をよく見かけます。
とても良い事だと思います。ぼくも実際に、実績ページのシェアなどは定期的に行なっています。
しかし、なんの戦略もなく、ただただ「SNSだと見てくれる人もたくさんいるだろうし、投稿が楽だから」と、とりあえずSNSに近況などを投稿している人も多いように見受けられます。
だいぶ前から、これってたぶん戦略ないな…と、もの凄い違和感を感じてました。
今日は、Webマーケティングという視点から、この”とりあえずSNS投稿”について持論をお話したいと思います。(※強めに言っておきます。あくまで持論です。)
自社サイトのコンテンツ化を。
まずはじめに、今回お話ししたい持論を端的にお伝えします。
それは、『SNSに長文でサービス紹介や、活用事例を投稿するくらいなら、自社コンテンツ化した方が絶対に良い!』ということです。
もちろん、SNSに投稿なんてするな!という意味ではありません。SNSからの流入も大切な数字になってくるので、SNS投稿自体は重要なんですが、ぼくが違和感を感じているのは”SNSの投稿だけ”を続けることです。
SNSは、あくまでもSNS。そのコミュニティの中で消化され、特に過去のものになればなるほど、その投稿を見る人は限りなく0に近づいていきます。
SNSとWebコンテンツの決定的な違いが、そこにはあります。
自社サイト内のWebコンテンツであれば、どんなものでもWeb上に自社の資産として残り続けます。それが人気のコンテンツにでもなれば、SNSとは逆に時間が経てば経つほど、たくさんの人が見てくれることにもなります。
結果として、手放し状態で継続的にアクセスを獲得し続けることが可能なのです。
何より、自社コンテンツとして保有しておかないと、そのサービスがもし終了したら全てが0ですからね…
自社コンテンツとして作ったうえで、そこへの流入を目的としたシェアをSNSで行う。という流れが最も良いと思います。
自社コンテンツってなんなの?
では、その自社コンテンツはどうやって作るのか。
最もイメージしやすいのは、自社サイト内に置く「ニュース」や「ブログ」「コラム」「活用事例」などのページです。この1つ1つが、独立したURLを持つページになると思います。
自社ドメイン配下の独立したURLを持つページが生成された時点で、それが自社コンテンツだと思ってください。ページの中身は何でも良いです。ここで言う、自社コンテンツの定義はこれだけです。
コーポレートサイトのサービス紹介ページ、スタッフ紹介ページ、会社概要ページなどの1つ1つも自社コンテンツに該当します。
逆に言うと、SNSで投稿された「www.facebook.com/●●●●/」や「www.instagram.com/●●●●/」というページは、自社コンテンツにはなりません。自分のアカウント内で生成されたページではありますが、自分たちでコントロール出来るページではないからですね。
SNS投稿の落とし穴
SNSで身近な人に近況を報告することの大切さ、とてもわかります。逆にぼくは苦手かもです。
しかし、今回お話しているようにビジネス利用でのSNSにはいくつか注意点があります。
1.そもそも、そこに購買層いますか?
自分でSNSを見る時に求めるものは何でしょうか?ちょっと考えてみてください。
きっと、「友人の近況報告」や「好きな芸能人・タレントさんの情報」など、ちょっとした暇な時間を楽しむ為のものなはずです。
そもそも、そういった目的でSNSは発展してきました。
そんなニーズを持ったユーザーが見る環境の中で、急に自分たちのビジネスの話、ましてや活用事例や導入実績みたいなものはどれほど受け入れられるでしょうか?
「こんなサービス展開はじめました!」「こんな商品新発売します!」みたいな、お知らせは”近況報告”として大切だと思います。ぼくもやります。
友達やフォロワーが多ければ、いいねもたくさん入るでしょう。コメントが付いたりシェアもされるでしょう。
ですが、そこにあなたのサービスや商品を買ってくれる”潜在的な顧客”は果たしてどれくらいいるのでしょうか?
きっと、あなたのその投稿を見てくれている人は、あなたのサービスや商品のことを既に知っています。「応援したい」という気持ちでリアクションをくれる人も多いとは思いますが、ちゃんとモノを売ろうとした時に、それはどれくらい効果があるでしょうか。
当然、「SNSでしか見れないこんな情報を発信しよう!」など、ここに何かしらの戦略が乗っていれば全く話は別です。
2.最終的なリーチ数が全然違う
前述の通りですが、自社コンテンツとしてWeb上に半永久的に残るものにすれば、例え月間100ユーザーが閲覧するページだとしても、年間で1,000以上のアクセスです。しかも一度作ってしまえば、手放しでずーっと。
SNS投稿はどうでしょう?
ビジネスアカウントであればリーチ数を実数で確認出来ますし、仮に個人アカウントだとしても友達数やフォロワー数からある程度は推測出来ますね。
さらに、SNS投稿は時間が経てば経つほど、その投稿は見られなくなってきます。ニュースフィールド・タイムラインには新しい投稿が次々と流れてくるので当然ですね。別のユーザーがシェアしてくれたとしても、その数には限界があります。
サービス・商品を展開する期間は決して短くないはずです。そう考えた時に、最終的にどちらの方がアクセスを獲得できるでしょうか。
ここには、SNS投稿と自社コンテンツの違いはあります。
3.新規ユーザーにリーチしにくい
SNSにそういった投稿を続ける背景には、自分たちのこと・サービスのこと・商品のことを1人でも多くの人にしってほしい。という思いがあるはずです。
しかし、あなたの投稿を見てくれている人は、既にあなたのことを知っている誰かがメインです。
「タグ検索」という言葉があるくらいですから、全く新規ユーザーにリーチできないわけではないのですが、それでもその割合はあまり多いものではありません。
逆に、自社コンテンツにした場合、何かしらのキーワードで検索して、そこから流入してくれる新規ユーザーがメインになるので、その違いは明白ですね。
しかも、あなたの保有するページにたどり着いたということは、あなたのサービス・商品に関連するキーワードで検索をして何かを探しているユーザーなので、SNSの投稿を見ている人よりも購買意欲が高いはずです。
自社コンテンツ化の壁
自社コンテンツ化することの良い点だけ挙げていても、あまり良くないですね。
もちろん、これまでやってなかったことをするわけですから、いくつか壁があります。
1.ある程度の手間が掛かる
SNSとは違い、決まったフォーマットで簡単に投稿出来るわけではないので、この投稿作業が少し手間と感じる人もいるかもしれません。
そもそも、自社のサイトやメディア内にそういった投稿フィールドがなければ、そこから作る必要があります。
SNS投稿から乗り換える時に、一番初めに目の前に現れる壁がこれだと思います。
ですが、一度作ってしまえば、それほど毎回の投稿が手間に感じることはなくなると思います。
2.SNSでのリーチは落ちる
自社コンテンツ化して、そのページをSNSでシェア。こうする流れが良いと冒頭で書きました。
これをすると、SNSでのリーチ自体は通常の投稿に比べて落ちます。SNSによってはURLシェア(リンク)が出来ないものもありますね。
自社コンテンツのURLをシェアするということは、「そのSNSから離脱して、こっちのページを見てくれ」と言っているようなものなので、SNS側からすれば気の良いものではありません。
特にFacebookは、そういった投稿はインプレッションを減らすというアルゴリズムになっています。
なので、これまでよりSNSでのリアクションは下がると思います。なので、投稿の頻度を下げたり、SNSのリアクションを活発にしたりして上手に調整している方もいますね。
しかし、自社コンテンツ化するということは、そもそもSNSユーザーへのリーチを目的としてないので、それはそれで良いのです。割り切りましょう。
3.即効性はない
これをネックと感じる方も結構多いです。
自社コンテンツ化して、Webで公開すればすぐに手放しでアクセスが獲得出来るかと言われれれば、もちろんそうではありません。
いわゆるSEO対策の話にもなってきますが、Googleのアルゴリズムを正しく理解して多くのユーザーを獲得できるようなコンテンツ作りをしなければいけません。
しかし、毎日毎日SNSに投稿している内容があるのであれば、それの書き方を少し変えて自社コンテンツ化するという作業が難しいことだとは思いません。
その毎日毎日の作業が、SNSの中で消費されていくものになっていくか、積み重ねで効果が出るような自社コンテンツにするか。どっちが良いか考えるだけです。
まとめ
少し長くなってしまいましたが、SNS投稿についての持論をロジックと合わせてお話させて頂きました。
考え方は人それぞれです。結局、Webマーケティング的に見ればSNSの使い方も非常に大切なのです。
サービスや商品にもよって展開は変わってくるので、一概にどれが正解かは判断出来ませんが、少なくともぼくであれば…どんなサービス・商品であれ”何か書くなら”自社コンテンツにします。
最近は特に、緊急事態宣言…。外出自粛規制…。という言葉が毎日目に入ってきますね。
ネガティブな言葉である事は否定できませんが、屋内にいる時間が普段より圧倒的に長くなっているはずなので、こんな時こそ少し自社のWebコンテンツ制作に着手してみてはいかがでしょうか?
早めに着手すれば、その分早めに成果は出始めます。必ず。