うちの会社はまだまだ小さく、オフィスというオフィスを持っているわけではありません。
起業当初から、全員が在宅ワーク。いわゆるフルリモートで、それぞれが仕事を進めています。
2019年は「働き方改革」という言葉が連日のようにメディアで取り上げられていました。そして、2020年は「コロナウィルス」の影響で、日本でもリモートワークへとシフトしている企業がどんどん増えてきています。
こんな時だからこそ、この”リモートワークという働き方”について考えたいと思い、記事を書いています。特に、ぼくらはオフィスを持たない”フルリモート”なので、その最たるところだと思っています。
ぼくらの経験談が、少しでもみなさんのお役に立てれば嬉しいです。
自宅で仕事をするうえで欠かせないもの
まず、実際にぼくを例に取って、自宅で仕事をするうで絶対に欠かせないものをご紹介したいと思います。
ざっと、こんな感じです。
- wi-fi:必要不可欠ですね。ちゃんとした光回線を引きましょう。
- 作業スペース:意外と準備を忘れがちですが、集中して仕事が出来る空間が必要です。
- プリンター:これも持ってない人多いですね。
- カメラ&マイク:これはPCに内臓されてる場合が大半ですが、カメラは意外とない人多いです。
- デュアルモニター(推奨):こちらは業務内容によりますが、あると効率がめちゃくちゃ上がります。
- 電卓(推奨):最近ではテンキー付きのPCって減ってると思うので、数字を扱う時にあった方が良いです。
並べて見ると、当たり前のように思えるものばかりですが、みなさんは「いざ自宅で仕事だ!」となった時に、その準備はどれくらい出来ているでしょうか?
「wi-fi」と「作業スペース」なんかは、ないと仕事にならないので、そもそもリモートワークが可能かどうかを判断する以前の話ですね。特に、作業スペースは事前に用意しておかないと、その後の仕事に大きく影響します。
少し考えてみてください。
明日から自宅で仕事をするとなった時、どこでPCを広げて仕事しますか?居間のテーブルですか?食卓ですか?
“一時的に自宅で仕事をする”という程度であれば、それでも問題ないと思いますが、ぼくらのようにフルリモートでの仕事の場合はそういうわけにはいきません。
しっかり、プライベートと仕事の空間を分けておく必要があります。
あとは、オフィスにあって家にないものランキング1位の「プリンター」ですね。
データでやり取りすることの方が多い時代ですが、それでも紙が必要なシーンもまだまだ多いです。このあたりまでは、ほぼ必須と言えるでしょう。
日常的に使うコミュニケーションツール
続いて、ぼくらが日常的に情報共有などで使っている各種ツールをご紹介します。
- チャットワーク:ビジネスチャットツール。うちでのメインツール。
- Slack:ビジネスチャットツール。クライアントさんの要望に合わせて使う。
- Whereby:ビデオチャットツール。数ある中で一番便利で使いやすいと思う。
- Google Drive:データ共有。
- スプレッドシート:テキスト共有。議事録など。
- LINE(たまに):急ぎの時などの電話で使用。ビジネス的なやり取りでは極力使わない。
- Facebookメッセンジャー:クライアントさんの要望に合わせて使う程度
どれも極めて有名なので、ここで詳細の説明まではしませんが、ざっと上記です。
メールはほとんど使わなくなりましたね…メールで出来ることのほとんどが、もうビジネスチャットツールで出来ますし、なんならチャットの方が便利で早いですよね。
フルリモートになると、オフィスのように実際に顔を合わせる機会が一気に減るので、ビデオチャットは頻繁に使います。打ち合わせも、場合によってはビデオチャットの方が効率良いです。
実際に顔を合わせて打ち合わせすることの大切さも、もちろんわかります。ただ、移動時間・お金を掛けて会いに行くという必要がない場合もありますので、上手に使い分けたいですね。
フルリモートのメリット
そんな環境で日々仕事をしているぼくらが感じる、フルリモートのメリットはこんなところです。
- 出勤時間ゼロ:リモートのメリットといえばこれですね。ベッドから10歩以内で仕事場です。
- コスト削減:オフィスの家賃、交通費はもちろんですが、食費とかも抑えられます。
- トイレ問題:急にお腹が痛くなった…という時も安心です。
- 面倒なコミュニケーションなし:「気分屋の上司と顔を合わせるのもイヤだ」というような問題から解放されます。
- 環境を変えられる:基本は自宅で仕事をしますが、環境を変えてカフェやコワーキングで仕事をすることも可能です。
よくリモートワークを推奨している会社がポイントとして、「コスト削減」をあげます。
もちろん、オフィスの家賃や社員の交通費、光熱費などは削減出来ているのですが、意外と嬉しいのは「個人の食費」です。
オフィス勤務だと、いくら安くても500円くらいランチで使うと思いますが、自宅の場合はそんなに使いません。前の日の残り物をランチにする日もあります。それに付随して、夜ご飯も外食になりがちだと思いますので、個人の食費もコスト面では恩恵があります。
あとは、「環境を変えられる」というのも大きいです。
オフィスにこもりっぱなしで周りの人もいつも同じ…という環境は、どうなんでしょうか?
これは個人個人の仕事のやり方にもよるので、一概に悪い環境とは言えませんが、誰しも「ちょっと環境を変えて仕事したいな」と思ったことがあると思います。リモートワークなら、それがいつでも可能です。
フルリモートのデメリット
今度は逆に、フルリモートであるからこそのデメリットをご紹介します。
- みんなで集まれない:社内・社外問わず、実際に会ってMTGするときはカフェとかになっちゃう。
- 集中力が落ちがち:誰の監視もない自由な空間なので、気分によって集中力が落ちてしまう場合がある。
- 運動不足:シンプルに動かなくなる。
- 人数が増えると情報共有が難しい:今はまだ良いが、人数が増えるにつれて細かいことまで目が届かなくなりそう。
- 1日のスケジュールが組みにくい:特に終業が区切りにくい。
やはり、一番デメリットとして感じるのは「みんなで集まれない」ということです。
基本的な打ち合わせはWebミーティングで問題ないのですが、節目節目には実際に会って大事なMTGをするものです。こういう時や、お客様との打ち合わせにオフィスがないので、カフェとかになってしまいます。
それ自体は問題ではありませんが、オフィスがあると良いなぁと思う瞬間ですね。
また、情報共有の観点からも、なんだかんだオフィスがあった方が良いなと思います。
オフィスで毎日顔を合わせていれば、仕事中の雑談などから近況の共有が自然に出来ているものです。フルリモートだと、完全に遮断された空間なので、それぞれが自ら情報発信しない限りは共有されません。
スケジュールにも関連しますが、誰の案件が、今どこまで進んでいるか。というのが、意外とオフィスという空間で共有されていたんだなと実感します。
フルリモートの実態
フルリモートのメリットとデメリットをご紹介しました。
最後に、そんな”フルリモートという働き方の実態”について、経験談をもとに少しご紹介したいと思います。
- 1日中ビデオチャット繋ぎっぱなし:打ち合わせの延長で、そのまま1日中ビデオチャット繋いで仕事するような日もあります。
- Youtubeとか見ちゃう:集中力が底辺まで落ちた時に、なにかとYoutube開きがち。
- 夜中まで仕事しちゃう:仕事の区切りが悪いと、遅い時間まで仕事してしまうことがあります。自宅なので無限に出来てしまうので…
- 喋らなくなる:オフィスでの「おはようございます!」もないし、人と顔を合わせる機会が減るので喋らなくなります。
- 休日の概念がなくなる:良くも悪くも、スケジュールも自分でコントロールしてます。休日でもお客様から連絡あれば対応してしまうものです。
- プライベートな予定も優先できる:逆に、「この日に予定を入れたい!」というプライベートな予定があれば、仕事と重ならない限りそっちを優先出来ます。
- その代わり売上には割とシビア:自由に思えるフルリモートですが、自分たちのお給料は払わないといけません。ここはシビアです。
すでにリモートワークをしている人にとっては、あるあるかもしれません。
特に、上の2つ「ビデオチャット繋ぎっぱなし」「Youtubeとか見ちゃう」に関しては、リモートワーク推奨の友人の会社でもよくあると聞きます。
何かと「楽そう」とか「自由そうでいい」と思われがちなリモートワークですが、『自分の仕事をコントロールして、しっかり終わらせる』という前提で成り立っています。
もちろん、オフィスに行かなくて良いという意味で利便性も高いですし、一般的な勤務に比べると自由度も高いです。
ただ、特に今のうちの会社のフェーズだと、会社として利益を上げることを考えていかないといけないので、楽な面だけに目を向けることは出来ません。
「楽そうだからリモートワークしたい」とか「会社行くの面倒だから自宅で働きたい」と考えている人は、もしかしたら甘い部分だけ見えているのかもしれません。そんな欲求だけでは、リモートワークは決して良い成果を生みません。
これから会社としてリモートワークを推奨しようと考えている企業のみなさん、リモートワークで働こうと考えているみなさん、どんな働き方が一番自分に合っているか今一度考えてみてください。
少しでも、みなさんの参考になれば幸いです。