Web関連の仕事をしていると、必ずと言っていいほど「Webサイトからの資料請求を増やしたい」「お問い合わせや、イベントの申し込みを増やしたい」と相談を受けます。
もちろん、Webサイトの最大の目的でもありますから、そこの数字を増やしたいというのは当然の話です。
しかし、これらを増やすために、何からどう手を付けていいかわからない。という方も多いのが現状です。
そこで、そんなご担当者のために、Webサイトでの資料請求やお問い合わせを増やすために知っておきたい、”基本的な考え方”を解説します。ぜひ、みなさんのサイト改善の参考にご覧ください。
この記事の目次
まずは現状を把握する
「増やしたい」と考えているということは、現状に満足していないはずです。その満足していない現状を把握することから始めましょう。
この現状を知らないままに、改善はあり得ません。体感ではなく、しっかりと数字で把握することが必要なので、もし数値計測をしていないのであれば、その段階から取り組むことになります。
コンバージョンとCVR
具体的に考え方に入る前に、この記事でも何度か「コンバージョン」「CVR」という言葉が出てきます。まずは、この言葉を知らない方は、それぞれ言葉の意味をご確認ください。
- コンバージョン(CV)
コンバージョン(conversion:CV)とは、直訳すると、「変換」「転換」「転化」といった意味になります。マーケティングの分野では、Webサイトにおける最終的な成果のことを指します。
こちらに転記したように、コンバージョンとはWebサイトでの最終成果のことです。
つまり、資料請求やお問い合わせ、イベントへのお申し込み、購買などのことですね。
- コンバージョン率(CVR)
CVRとは、Conversion Rate(コンバージョンレート)の略で、Webサイトに発生したアクセスのどれだけがサイトの成果=コンバージョン(商品の購入や申込み)を達成したかの割合を表す指標です。「CVR(コンバージョン率)=コンバージョン数 / 訪問数(セッション数)」で求めるのが一般的です。例えば、1000件のセッションで10件のCVを獲得した場合はCVRは1%となります。
こちらも記載の通り、コンバージョンした確率のことです。
100人訪問して、1人が問い合わせをした。という場合はCVRが1%ということですね。
基準となる現在の数字
言葉の意味を確認して頂いたところで、本題の続きです。
繰り返しになりますが、現状の数字を把握することは非常に大切なことです。この現在の数字を基準に、成功・失敗の判断をしていきます。
なお、業種・業態や検索ワードによって違いはあるものの、まずは「CVR1%」を目指しましょう。
もし現時点で「CVR1%」以上の場合は、合格ラインかもしれません。検索ワードごとの数字を洗い出し、細かく分析してみましょう。
1ヶ月ごとに判断していく
Webサイトの各種数字について、目標を設定したり、振り返りを行う単位として最も一般的なのは「1ヶ月ごと」に見ていくことです。
時と場合によっては異なることもありますが、特別な理由がない限りは1ヶ月単位で数字を見ましょう。
まずは前月の数字です。1ヶ月の間に、どれだけの訪問者数があって、どれだけCVが発生したか。この数字を把握することから始めます。
どこの数字を改善するか
おおよその数字がまとまったら、「Webサイトで資料請求をしてもらう」までの過程を、いくつかに区切って考えます。
ここを区切って考えることで、それぞれに最適な施策を行うことが出来るので成果も見えやすいです。
逆に、ここを一色単に考えてしまって、効果が出ない…と思ってしまう方も多いようなので、しっかりと頭の中を整理しましょう。
- サイトの訪問者数を増やす
- 資料請求ページへの誘導を増やす
- 資料請求の申込数を増やす
資料請求などCV数を増やそうと考えた時に、重要になってくるのが上記の3ポイントです。
1.サイトの訪問者数を増やす
まず1つ目は、サイトの訪問者数を増やすことです。
とてもシンプルなことですが、最も難しいことですね。
広告を出して訪問者数を増やすも良し、DMを送るも良しですが、施策は多岐に渡るので最適なものを選択していく必要があります。
2.資料請求ページへの誘導を増やす
サイトに訪れたユーザーのうち半数近くは1ページだけ閲覧して帰ってしまうと言われています。
この1ページだけ閲覧して帰ってしまうことを、「直帰」と言います。
当然、資料請求をしてもらうには「直帰」させず、他のページも閲覧してもらい、資料請求やお問い合わせページまで辿り着いてもらわなければなりません。
そのための導線設計は出来ているか?を見直し、1人でも多くのユーザーをCVの発生するページへ誘導してあげる必要があります。
3.資料請求の申込数を増やす
いざ、資料請求ページに辿り着いても、その資料請求ページで離脱してしまうこともあります。
その最大の要因は、「資料請求フォーム」です。
ただでさえ、個人情報を入力するという高いハードルの先にあるので、よく考えなければいけません。
入力項目が無駄に多かったり…入力しづらかったり…と、その原因は様々です。いかにユーザーに優しい入力フォームになっているかが大切です。
また、資料請求ページにフォームだけ設置していることもありますが、「どんな資料が」「どれくらいで」送られてくるのか。このあたりは明記しておいた方が良いと思っています。
まとめ

Webサイトのコンバージョン改善について、基本的な考え方をご紹介しました。
ここでお話した、1,2,3の項目は上図のような関係にあり、どれか1つというより、全てが改善されることで高い成果に繋がるものです。
例えば、サイトの導線設計が適切でなく、資料請求フォームにも無駄が多いまま、サイトの訪問者数だけを増やしても、「せっかくユーザーが増えたのに成果に繋がっていない」ということになってしまいます。
逆に、すでにCVRが高いサイトなのであれば、内部的な改善でなく訪問者数を増やす施策に時間と予算を掛けた方が良い。という判断が出来ますよね。
この辺りを一色単に考えてしまうと、どこを改善して、どこに力を入れれば良いかの判断が出来ずに、成果が出ない…と頭を悩ませることになってしまいます。