チラシやポスティング、情報誌広告などの効果に限界を感じ、Webでの集客を本格的に始めたい。というような相談は年々増えてきています。
同じように、Webでの集客を始めようと考えている担当者はきっとたくさんいると思いますが、いざ取り組もうと思っても「何からどう始めれば良いか…」「どこに、どう依頼すれば良いのか…」と頭を悩ませる人も多いです。
今日は、そんな担当者のために、Webサイトの企画〜集客までを簡単に分解して、どんな会社に相談したら良いかをご紹介しようと思います。
まずは自社の体制を確認
どこかの会社に依頼する前に、まずはみなさんの会社の体制を確認してみてください。
大きく分けて、以下の4つに分けられるかなと思います。
- A:専任のWeb担当者がいる。
- B:専任のWeb担当者がいて、デザイナーもいる。
- C:専任はおらず、Web担当は兼任になる。
- D:Web担当は兼任だが、デザイナーはいる。
A:専任のWeb担当者がいる。
「Web関連が主な業務です」という人がいる場合です。
Webでの集客を本格的に考えている。というのであれば、出来ればWeb担当者は専属に近い形で1人は付けたいです。
とはいえ、営業のように、動きが目に見える仕事ではないので、なかなか専属担当を用意できないのも事実です。
B:専任のWeb担当者がいて、デザイナーもいる。
Webでの集客を始めようとするには理想的な体制ですね。
社内にデザイナーがいて、自分たちのツールはそこの部署で作ってます。みたいな体制です。
C:専任はおらず、Web担当は兼任になる。
ぼくらのように若い企業や、中小企業の場合は、実はこれが一番多いかもしれませんね。
これまでデザインの窓口を担当していた人や、営業部長のような人が兼任するシーンを何度も見てきました。
D:Web担当は兼任だが、デザイナーはいる。
業界によって、割と早い段階で専属のデザイナーを採用する場合もありますよね。
Web担当はいないけど、デザイナーはいるという場合は、この「D」になります。
次に目標・目的を確認
みなさんの会社が、上記4つの分類からどれに当てはまるか、確認出来たでしょうか?
社内の体制が確認出来たら、次にWeb案件に課せられている目標・目的を確認していきます。
ここでは、よくある以下の3つの目的に分けて考えます。
- とりあえずWebサイトの制作だけ。
- 現状のWebサイトからリニューアル。
- Webサイトへの集客+成果
1.とりあえずWebサイトの制作だけ。
会社を立ち上げる、ブランドを立ち上げる、今まで会社のWebサイトがなかった…のようなパターンはこれです。
Webサイトもメディアも所有してなくて、これまでSNSとか印刷物だけで自社のことを伝えてきた。という人が、まだまだ意外といらっしゃいます。
そんな場合、とりあえずWebサイトの制作だけ急ぎたい!となり、制作だけが目的になることもあります。
2.現状のWebサイトからリニューアル。
今はこれが一番多いですかね。
「だいぶ昔に作ったWebサイトはあるけど、ほぼ放置している…」や「Webサイトを作ったが、全然成果が出てない…」のような場合はこちらですね。
『今までのものは考えなくて良いから!』と、新規Webサイト制作のように考えてしまいがちですが、実は全然違います。
過去の使っていないサイトでも、情報は少なからず蓄積されているので、その情報の分析から始めるのが”リニューアル”です。
いずれにしても、既に何かしらのWebサイトを持っている場合はこちらです。
3.Webサイトへの集客+成果
本来は、ここが目的になっているはずですし、ここを目的にしてほしいと思っています。
しかし、予算や環境など様々な理由から、ここまでは求められない…というのもわかります。
その状況に応じて、具体的な成果目標は様々ですが、作るだけではなく何かしらの成果を目的にしている場合はこちらです。
Webサイトの企画〜集客まで
社内体制と目的を確認出来たら、実際に適切な業者に相談を始められます。
とはいえ、どんな流れでWebサイトが出来上がるのか理解していないと、上手く進められないと思うので、先に全景をご説明しちゃいます。
上図はWeb制作の流れを簡単にまとめたフロー図です。
企画
一言でいうと、どんなWebサイトにするか。を考えることです。
最終決定までは、社内会議を何度か重ねたうえで、外部の専門家も入れて打ち合わせを重ねることになります。
ここでの決定事項が、その後の全ての項目に影響を与えることになるので、よく打ち合わせを重ねます。
デザイン
こちらは読んで字のごとく、企画したものをWebサイトのデザインに落とし込む作業です。
概要と目的、どんなトーンで仕上げたいか。しっかりとデザイナーと共有して、デザインを作り込んでいきます。
コーディング
こちらも読んで字のごとく、出来上がったデザインをブラウザで表示させられるようコードを作っていく作業です。
コーディングが終わった時点で、デザインされたWebサイトがブラウザで確認出来るので、この時点でサイトが一般公開出来ます。
社内にエンジニアがいるという事は稀だと思うので、ここからは基本的に外注作業が多くなります。
運営・管理
言葉の意味は広いですが、社内で行う作業としてはニュース投稿や、お問い合わせへの対応などが中心かと思います。
外注で作業をお願いしている場合は、管理ソフトのアップデートやセキュリティの維持、ちょっとした画像の差し替えなどにも対応してくれます。(うちの場合です)
マーケティング
最終目標である「集客」の鍵を握る部分です。
どんな施策を、どのように展開していくかはシーンに応じて最適なものを選択していきますが、社内担当者と外部パートナーで連携して進めていくのが良いでしょう。
担当者がWebマーケティングに精通していれば、外注に頼らず社内で施策のPDCAを回していきます。
目的にWebでの集客が含まれない場合は必要ないパートになります。
どこに、どう依頼するのが良いか。
前置きが長くなりましたが、社内体制と目的・Web制作の流れを理解して頂けたので、もう何となくイメージ出来ているとは思います。
自社の状況に合わせて、足りない部分を的確に外注していきましょう。
「A:専任の担当者がいる。」のパターン
—目的が【1:とりあえずWebサイトの制作だけ。】の場合
この場合に必要なのは、「企画」「デザイン」「コーディング」です。
一般的なWeb制作会社であれば、これらはまとめて対応出来るので、社内状況を伝えたうえで相談してみましょう。
ちなみに選択肢として、フリーランスのデザイナーとエンジニアに仕事を依頼するという事も可能です。
企業に依頼する場合と、フリーランスに依頼する場合のメリット・デメリットはまたの機会にご紹介します。
—目的が【2:現状のWebサイトからリニューアル】の場合
この場合も必要なのは、「企画」「デザイン」「コーディング」です。
ただし、リニューアルの場合は旧サイトに蓄積された様々な情報があるので、ここの情報も読み解ける力のある会社が良いです。
順番は前後しますが、ここの情報はWebマーケティングとして重要なものなので、理想は”マーケティングも頼めるようなWeb制作会社”が良い選択です。
そういった企業が珍しいわけではないので、依頼を検討している会社のサイトなどを見てみてください。
—目的が【3:Webサイトへの集客+成果】の場合
この場合に必要なのは、「運営・管理」「マーケティング」です。
上に書いたフロー図は、便宜上この2つを分けて書きましたが、WebマーケティングをA社に依頼して、「運営・管理」はB社に依頼する。という事はあまりないです。
WebマーケティングをA社にお願いしたら、「運営・管理」も同じくA社にお願いした方が、スピード感も良く、無駄な手間もありません。
「B:専任のWeb担当者がいて、デザイナーもいる。」のパターン
—目的が【1:とりあえずWebサイトの制作だけ。】の場合
社内にデザイナーがいるので、「企画」「コーディング」を依頼しましょう。
コーディングだけを専門にしている会社…というのはあまり聞きませんが、Web制作会社に「デザインデータは支給できます」と伝えれば、対応してくれます。(嫌がられるかもですが…)
—目的が【2:現状のWebサイトからリニューアル】の場合
こちらも前述と同様です。
「企画」「コーディング」を依頼出来る会社を探しましょう。
—目的が【3:Webサイトへの集客+成果】の場合
こちらも前述の通り、デザイナーの有無では変わりませんので、「運営・管理」「マーケティング」を依頼できる会社を探しましょう。
「C:専任はおらず、Web担当は兼任になる。」のパターン
—目的が【1:とりあえずWebサイトの制作だけ。】の場合
社内に担当者もデザイナーもいないので、必然的に外注に頼る部分が多くなってきます。
「企画」「デザイン」「コーディング」を依頼出来る企業を探しますが、特に「企画」の部分で力を発揮してくれるような会社が好ましいです。
というのも、担当者が兼任なので、依頼した会社が自発的に考えて提案をくれるような体制でないと、なかなか進まないのと不十分な仕上がりになってしまう可能性があります。
—目的が【2:現状のWebサイトからリニューアル】の場合
こちらも前述と同様です。
特に「企画」の部分で力を発揮してくれて、かつWebマーケティングを理解している会社が理想です。
—目的が【3:Webサイトへの集客+成果】の場合
「企画」〜「マーケティング」までをワンストップで依頼できる企業を探しましょう。
これが、今回ご紹介する中では最上級のプランになると思います。
簡単に言うと「社内に担当者がいなくて、さらに成果も上げたい。」という状況なので、優秀なパートナー企業が必要です。
規模感によっては、広告代理店のような仕事になります。当然費用も必要です。
「D:Web担当は兼任だが、デザイナーはいる。」のパターン
—目的が【1:とりあえずWebサイトの制作だけ。】の場合
こちらは社内デザイナーの負担が増えそうなパターンですが、上記に準じて「企画」「コーディング」を依頼出来る会社を探しましょう。
—目的が【2:現状のWebサイトからリニューアル】の場合
こちらも同様です。
過去のサイトに蓄積されたデータを解析出来て、かつ「企画」「コーディング」を依頼出来る会社を探しましょう。
—目的が【3:Webサイトへの集客+成果】の場合
こうなってくると、社内デザイナーが兼務するような未来しか見えませんが…
デザイン以外の、「企画」「コーディング」「運営・管理」「マーケティング」を依頼出来る優秀な会社を探します。
まとめ
少し長くなってしまいましたが、Webでの集客を始めようと思った時に考えたいポイントから、どんな会社に依頼すれば良いかをまとめました。
みなさんの該当する部分だけお読み頂ければ、十分理解できると思います。
当然のことですが、外注に頼る部分が増えれば増えるほど、費用も必要になり、スピードも鈍りがちです。
Web担当者を1人用意出来るだけで状況は劇的に変わります。他の状況も加味しながら…になると思いますが、Web集客を本格的に始めたいのであれば、まずは担当者を手配するところから始めましょう。