4月ですね。春ですね。
ぼくが代表を務める『Sokoage』も準備期間を含めると、この4月でちょうど半年を迎えようとしています。
会社では新しい期が始まり、色々と新しいプロジェクトなんかも動き出す時期ではないでしょうか。新入社員の入社や、人事異動なども多い季節ですね。
一方で、多種多様な働き方がここ数年で一気に広がり、若い世代でも独立・起業を考える人がとても多くなりました。ぼくも、そんな1人です。
今日は、ぼくが独立して走ったこの半年間を振り返って「あぁ、これは事前に準備しておいた方が良かったな」「これは準備しておいて正解だったな」というモノをご紹介します。独立や起業を考えている方は、ぜひ参考にしてください。
本題の前に…
独立や起業の準備に関する記事は数多く存在しますね。
それらのほとんどが、お金に関連するものだったりします。
「クレジットカードは会社員時代に作っておこう」「これくらいの貯蓄をしてから退社しよう」「実際の収入は…?」などなど…あとは、書類の手続きだったり、保険や人間関係についての記事も多いです。
こういった内容は、この記事では紹介しません。もっと実践的な準備のための記事です。
既に、独立・起業を決めていて動き出している方が、“自分の会社で具体的な案件に入る前に準備しておきたいモノ”をご紹介します!
自分のスキルと経験だけで仕事をしていこうと考えるくらいですから、ある程度のプランは頭の中にあると思うのですが、攻める準備が出来ていても、意外と受け皿の用意が出来ていない事が多いんですよね。
具体的に案件に入ってしまうと、手が回らない事も多いと思うので事前にしっかりと準備をしておきましょう!
事前に準備しておきたい8つのモノ
それでは本題です。
身の回りの準備を整えて、いざ営業へ!と意気込んでいる方が大半だとは思いますが、その前に受け皿の確認をしましょう。
これら8つの項目を確認しないまま案件に入ってしまうと、必ずどこかで後悔します。何を隠そう、ぼくも後悔した経験があります…
場合によっては貴重な案件を取りこぼしてしまう可能性もあるので、攻守ともに固めてから戦場へ繰り出しましょう!
- 名刺
- Webサイトとメールアドレス
- 会社案内
- 提案書
- 見積書と請求書
- 封筒
- 落ち着いて仕事が出来る環境
- 自分なりの就業規則
1.名刺
もはや準備してないわけがない。というレベルですが、名刺は必須ですよね。
ただ、意外と作るが難しくて進めてない…という方もいらっしゃいます。
会社にいれば、人事部がデザイナーに依頼して入社してすぐ与えられていた名刺も、自分1人だけになるとそうはいきません。
名刺に必要な項目
もし、まだ名刺を作っていないという方は、取り急ぎこれらの項目を書き出して名刺を作る準備をしましょう。
- 社名
- 肩書き
- 名前
- メールアドレス
- WebサイトのURL
- 電話番号
- 住所
これらが必要最低限の情報でしょう。
こう見ると、特に難しいものはないはずなので、サクッと書き出して名刺を作りましょう。
どうやって作るか
これらを書き出せたら、あとはデザインして入稿・印刷だけです!
「だけ」と言いましたが、デザイン経験がない方はここが山場ですよね…
もちろん、外注して会社のイメージを踏襲したオリジナルの名刺を作るのがベストですが、他にも方法はあります。
便利な時代になったもので、オンラインで使える無料の名刺デザインサービスや、印刷業者が提供しているテンプレートを使えば簡単に制作出来ます。
間違っても、ワードやパワポで適当にデザインした名刺を、家庭用のプリンターで印刷して使うような事はやめましょう!会社のイメージや信頼に関わりますからね。名刺は看板です!
2.Webサイトとメールアドレス
これも、名刺と並んで必要不可欠ですね。
今の時代に自分の会社のWebサイトがないというのはナンセンスです。商談でも必ずWebサイトの話は出るでしょうし、何より新規案件の問い合わせを獲得するためにも必要です。
どういったWebサイトが必要か
どんなWebサイトでも良いかと言われると、そうではありません。
必要なのは、オリジナルドメインで作ったオリジナルのサイトです。
ここでは、あまり深く触れませんが「無料でホームページが作れる!」みたいなサービスがたくさんありますが、ちゃんとビジネスとしてやっていこうとしている人にはオススメ出来ないサービスです。
見る人が見ると「あぁ、なんだ…無料サービスでWebサイト作ってるんだぁ」という印象を与えてしまい、本気度が伝わりません。
オリジナルドメインについては、ぼくが過去に書いたコチラの記事で詳しく紹介しているので、興味のある方は読んでみてください。↓
メールアドレスも同じ
Webサイトと同じく、メールアドレスもしっかり準備しましょう!
たまに「Gmail」を使っている方がいます。最も有名で、最も使いやすい無料メールだという事は紛れもない事実です。
ただ、ビジネスシーンで無料メールはどうだろう…と、ぼくは思います。Gmailは誰でも使えるモノですからね。
あなたが会社員だった時を思い出してみてください。GmailやOutlookなどの無料メールで仕事をしていた人がいましたか?
しっかり、自分の会社の名前(ドメイン)が入った「xxxxxx@sokoage.com」のようなオリジナルのメールアドレスを取得して、本気度を感じてもらいましょう。
3.会社案内
この写真は、実際にSokoageが使っているパンフレットなのですが、続いてはこの会社案内です。
これは作るのに時間とお金が掛かります。早い段階から着手して、いざ営業に出かける時には手元にある状態にしておきたいですね!
最近多く見受けられるのが、パワポで作った会社案内です。
もちろん、パワポでもしっかりとしたデザインで作ることは可能ですが、パワポで会社案内を作っている企業の大半がデザイナーじゃない人間が作っています。(あくまで、ぼくの経験則)
非常に見辛い…そして、A4のコピー用紙に印刷して持っていくので、仕上がりが残念なんです。
なぜ、デザインが必要か。
言うまでもありませんが、あなたには多数のライバルがいます。大手からイケイケのベンチャーまで、その数は計り知れません。
あなたが商談したお客さんは、同業他社からもアプローチを受けています。
その中から何社かに見積もりを依頼して、提案内容を比較して、営業担当の対応を見て…ようやく1社が受注出来るわけです。
ライバルよりも良い印象を抱かせなければ、その時点で負けです。
もちろん、デザインだけで決まるとは言いませんが、あなたの会社のことをより強く認識してもらうためにもデザインは必要です。
デジタルとアナログ
この会社案内を印刷せずデータ送付、または商談の場でスクリーン投影して見せるという会社もあります。
これ自体は決して悪いことではなく、むしろエコで複数名でも対応出来るので良い事だと思います。
ただ、相手の手元に資料を残すことは非常に重要です。
「実際に資料を見比べて判断する」という方が未だに多いので、どれだけデジタルが進んでも、アナログな体験を怠ってはいけません。
もちろん、これも前述と同じで、これだけで決定するという事はありませんが、あなたの会社を選んでもらう為のポイントとして大きな役割を担っています。
4.提案書
今度は逆にパワポなどで作る、提案書です。
商談に行く際、提案書って必要ですよね?
この提案書は、クライアント毎/プロジェクト毎に必要になってくるので、あくまでも「フォーマットを作っておきましょう」という事です。
やはり、ここにもデザイン。
先ほどの、会社案内の時にもお伝えしたことが、そのままここでも必要になってきます。
ただ、会社案内と少し違うのは、提案書には具体的な金額やスケジュールなどの細かい数字が入ってきて、ページ数が膨大になる可能性を秘めているという点です。
全ページの細部まで凝ったデザインを施しているとキリがありません。デザインする部分と、営業色を強める部分を見極めて制作していきましょう。
これもプロに外注するのがベストではありますが、なかなか案件が決まる前の提案書に予算を割けないという会社も多いので、やはり無料配布のテンプレートや、もともとOfficeに入っているテンプレートをカスタマイズして使うのが良いでしょう。
画像の入れ方、フォントの選定など、見やすい事を意識して作ってくださいね。
※この「パワポでの見やすい資料の作り方」については、近日中に記事を公開する予定です。Facebookにいいね!して、最新情報をお待ちください。
5.見積書と請求書
商談の次に必要になるのが、見積書と請求書。これも、事前に用意しておきたいモノの1つです。
これは、1から作るとなると特に数式を組んだりするのが大変ですが、無料のテンプレートが色んなところで配布されていますので活用しましょう。
しっかりの会社のロゴを入れて、会社のイメージが伝わるように作ってくださいね。
これも作っておこう!
見積書と請求書の他にも、業種・業態によっては「納品書」「領収書」が必要ですよね。
これらは、見積書・請求書が出来て入れば、そのテイストを反映させると早いので、続けて作っちゃうと手間も少なく便利です。
あとは「送付状」も作っておきましょう。
資料を送る時、サンプル品を送る時など、A4で1枚送付状を入れるのがベターですよね。
これも、いざという時にないと結構時間掛かってしまうので、事前に準備しておきましょう。
6.封筒
必須とまでは言いませんが、個人的には絶対にあった方が良いと思う封筒です。
ここまで、名刺、会社案内、提案書、見積書、請求書と書類を色々と作ってきましたが、それらをキレイに作ったので入れる封筒にもこだわりたいですよね。
ちなみに、ぼくはこれの準備がギリギリになってしまい、少しバタバタしました…
オリジナル封筒が必要な理由
同じ資料が届いた場合、どこにでも売っている茶封筒で届いたものと、デザインされたオリジナル封筒で届いたもの。
あなたは、どちらを先に見ようと思いますか?
「どっちも見ない」という答えは一旦置いておいて、大半の方はオリジナル封筒を先に開封します。実際に、Sokoageのマーケティングでも実証済みです。
また、ブランディングの観点からも効果は大きく、オリジナルの封筒で郵送する事で「あっ、●●からの郵便物だ」と認識してもらうことが出来ます。
あなたの会社の印象を消すことなく、リピーターになってくれたり、良い関係を築くことに繋がります。
大と小を作ろう
封筒もサイズが色々ありますが、A4の資料がそのまま入る「角形2号(角2)」と、A4を三つ折りにして入れる「長形3号(長3)」の2種類を作っておきましょう。
会社案内や提案書などを送る時は大きいサイズ。納品書や請求書を送る時は小さいサイズ。と使い分けるのが一般的ですよね。
7.落ち着いて仕事が出来る環境
ここからは、ちょっとソフト面の話になります。
これまで勤めた会社には、あなたのデスクがあり、荷物を置くロッカーがあり、場合によってはコーヒーメーカーやウォーターサーバーもあったでしょう。
独立後、しっかりとしたオフィスを借りられる人は良いですが、そうじゃない人も多いと思います。そうなった場合、あなたはどこで仕事をしますか?
自宅…?カフェ…?シェアオフィス…?
いずれにしても、落ち着いて仕事を出来る環境が必要になってくるのは明白ですよね。
作業効率の悪さは命取り
独立したあと、給料の保証は一切ありません。
アルバイトのように働けば働いた分だけ返ってくるとも限りません。仕事を進める事が出来なければ、それも自分に返ってきます。
今まで以上に効率よく仕事をして、1つ1つを売り上げに繋げていく。という無駄のない働き方が必要です。
少し考えれば誰でもわかる事ですが、こんな状況の中でモタモタ仕事をしていては先が思いやられますよね。
集中して1つでも多くの仕事をこなすために、しっかりと集中できる環境が必要不可欠です。
自宅での注意点
自宅に仕事場を設ける事が一番手っ取り早い事もあり、ネット環境さえ整っていれば在宅で仕事をする方も多いでしょう。
ただし、「いつも使ってる机で仕事をすればいい」なんて事を考えていると、痛い目をみます。
自宅は自宅です。テレビもある、ゲームもある、ベッドもあれば、お菓子もある。サボったって誰も何も言いません。
ちょっと気を抜くと、これらの甘い誘惑に負けてしまいます。
ぼくは、この誘惑に打ち勝つためにIKEAで3万円くらいする大きなデスクを買い、リビングの半分を仕事場にしました。
他にも、自宅での誘惑は個人個人で違うはずなので、ちゃんとプライベートとの線引きをするためにも、自宅で仕事をする方は専用の場所を作りましょう!
8.自分なりの就業規則
前項に引き続き…な部分も多いのですが、自分なりに就業規則のようなルールを決めておこうという事です。
独立して仕事をすると、本当に自由です。
この自由を悪い意味で捉えてしまう人は、そもそも独立には向いていませんが、どうしても時間にルーズになりがちです。
自宅で仕事をしている人なんかは、起きた1分後には職場に付けるわけですし、ちょっと疲れてたら寝坊したって誰にも責められません。
これだけは決めておきたい
人それぞれだとは思いますが、ぼくの経験上これらは決めておいた方が良いでしょう。
- 勤務時間
- 休日
- 外出時のルール
特に”勤務時間”は決めておかないとうやむやになります。
「朝、寝坊しても夜やればいいやー」という気の緩みは事故のもとです。会社では通用しませんよね?
今はフレックスタイム制なんていう便利な言葉もありますが、その場合でもコアタイムをちゃんと決めて、ルールに則って仕事をしましょう。
意外と抜けがちですが、”外出時のルール”も決めておいた方が良いです。
例えば、お昼に打ち合わせに出かけたとして、そのまま遊びに行っちゃっても誰も文句を言いません。
こういうのが独立の醍醐味の1つだったりもしますが、事業が軌道に乗るまでは真面目に仕事を頑張りましょう。
他にも決めておきたいルールはいくつもありますが、とにかく「自分に厳しく、仕事を真面目に!」。ただ、それだけです!
あくまでも目安のルール
ここで決める自分なりの就業規則は、あくまで目安です。
仕事が立て込んでいたら土日に休んでるヒマなんてありませんし、寝る間を惜しんで残業する事も必要でしょう。
自分なりの就業規則は、自分をダメにしない為にある最低限のルールだと捉えてください。
これを下回る事は許されませんが、これを無視して大きく超える事には何の問題もありません。身体を壊さない程度に…ですが。
独立後の何年かなんて、きっとそういうもんです。それをわかったうえで、”やりたい何か”があるから、みんな独立するんですよね。
それでも5年と続かない会社が多いんですから、もっともっと頑張らなきゃいけません。
最後に
実践的な独立の準備について8つご紹介しました。いかがでしたでしょうか?
いざ、自分の会社が動き出すと、もう止まる事は出来ません。
1つ1つの業務は、これまで会社員時代に培ってきた経験とスキルで対応出来ますが、その1つ1つの業務に会社員の時とは比べ物にならない程の責任を感じます。
そして、その責任の重さは時間に比例し、責任を感じれば感じるほど、業務に費やす時間も増えていくんです。会社員の時と同じことをやっているはずなのに、時間はそれ以上必要です。
このように、実際の案件が動き出して、業務を行うようになると、他の事に手が回らなくなるくらい忙しくなります。
これから独立をする方も、将来独立を考えている方も、事前の準備をしっかり行い失敗しないように事業を進めてください。
準備した分だけ、結果は付いてきます。正直者がバカを見るなんて事は絶対にありませんよ。