最近よく聞く「内製化」。Adobeも公式に教育プログラムを組んで、ソフトを使ってデザインなどを教えたりしています。
この自社で制作ができるようになる内製化は、ちゃんと目的を理解しないと実は諸刃の剣になってしまうことがあります。この記事では内製化の限界と本当の目的についてお話しします。
そもそも内製化って?
まずは内製化についてです。
社内で制作体制を作る
内製化と聞くと、工場を作ってラインを組み、自社製品を自社で作る体制を思い浮かべるかもしれません。
しかし、インハウススタジオをおいて自社で映像制作を行ったり、ある程度の修正ができるデザイナーを置いたり、写真が撮れる人材を育てたりと、クリエティブ方面でも「内製化」が進んでいます。
背景として、Webでのマーケティングの発展で、自社の情報をいち早くSNSなどで伝える必要が出てきて、外注に一から依頼するよりも自社でサクッと作って発信した方が有利な状況などが出てきたからです。
詳しくはこちら
簡単に説明してしまいましたが、詳しくは下記の記事をご参考にしていただければと思います。
ケース1:映像制作
まずは、映像制作を内製化したときのパターンです。
インタビューなどの制作は可能に
インタビュー動画などは、簡単なものですとカメラが一台とちゃんとしたマイクがあれば、周りの環境を整えてやることでそれなりの成果物が制作できます。
最近のカメラは誰がとっても基礎知識さえあれば綺麗に撮れるので、話しっぱなしのインタビュー撮影などは内製の目的としては向いてますね。多いケースが、お客様の声が重要になってくる単価の高い商いをされている方です。ハウスメーカーやアプリケーション開発などです。
反対に「商品PV」など、企画を考案すること自体が職人技というか、頭の切り替えが必要なものは内製化しても上手くいかない可能性があります。
まとめると、ノンフィクションは内製化でできるようになる、フィクションは少し難しい、という感じです。
付随する知識をどこまで深めるか
インタビュー動画と言っても、例えばレコーダーや照明を準備し、マイクもピンマイクを使用する…など、よりクオリティをあげようと思えば果てしない道のりになってしまいます。
また、映像制作と簡単に言っても、「美術」「照明」「演出」「音響」「編集」など本来はそれぞれの専門家がついて行うものですので、それらの知識をどこまで深めていくかが肝になります。
YouTuberみたいに定期的に撮って簡単にテロップつけて出せればいい、という温度感ならそこまで深めていかないでもいいですね。
あとは機材沼にはまらないように…
これは経験談なのですが、やっぱりカメラの機材って格好いいんですよ…。例えばケースひとつとっても、軍隊がもってるみたいなハードケースが数万円で売られてたり、金属のリグを組み合わせて重火器みたいな見た目にできたり…男の子の心をくすぐり続けます。
その結果、僕もカードがパンクする寸前まで機材を購入しまくっていた時期がありました。不要なものは買わないようにしているのですが、カメラの機材って深みにはまるほど「情報が少ない」んですね。
例えば、マイクロフォーサーズカメラにレンズマウントをつけて他社製のレンズをつけるとき、そのレンズの全ての機能(AF、露出)が正常に動作するかの情報って、日本語サイトでは網羅されていなかったりします。
海外サイトで調べるのですが、結局のところ「買ってみないとわからない」ので、数十万円の試し買いが起きちゃったりします…。
ケース2:デザイン
続いてはグラフィック、Webを問わずデザインの内製化を行なった場合、どこまで自社で対応できるのでしょう?
デザイナーになるのは難しい
例えば、デザインの内製化によってデザインソフトは触れるようになり、簡単なバナーやチラシの修正などができるようになるとします。しかし、0から生み出す作業というのはやはりデザイナーの考え方が必要になります。
「デザインデータを扱える」のと「デザインを考える」という行為には大きな壁があります。
ロゴを考えたり、チラシの構成を考えるのは、やはりそれなりの経験とデザイナーとしての勉強が必要になってきます。
雛形があれば安心
例えば自社メディアのアイキャッチ、繰り返し使うLP、毎月行なっているイベントなどの場合は、ある程度の雛形があって、「デザインデータを扱える」人が社内にいるとすごく便利だと思いませんか?
こういう雛形を作ってもらえるデザイナーが社外にいて、社内でそれを受け止める体制があればいろんな企画を素早く回すことができそうですよね。
工期は圧倒的に短くなる
グラフィックデザインの場合をとっても、大きく分けて「デザイン考案」→「素材集め」→「初稿提出」→「確認」→「修正」→「入稿」とかなりのステップがあります。
その間にある1つ1つのやりとりを考えても、「できることとできないこと」「いま言ってしまうとややこしいこと」などを理解しているデザイン担当が社内にいるだけで、かなりの工期を削減できます。
0から1へのステップをより簡潔に、1をいかにうまく使うか、がデザイン内製化の肝になってきますね。
ケース3:Web
最後はWebの内製化です。こちらはソフト面の単純化で、比較的容易に行えます。
日々の更新や正しい運用は可能に
例えばWP(ワードプレス)を介して日々のニュース発信や、実績の投稿など、投稿機能が備わっているものに関しては社内の担当が一人いるだけで素早く対応できます。
また、その社内の担当がどれだけSEO対策などの運用知識を有しているかで、中長期的に見た成果が変わってきます。
例えるなら、HPはネット上の1つのオフィスみたいなもので、いかに綺麗に整頓されているか、その会社の色が出ているかなどで訪れたお客さんの印象も変わります。そのオフィスを綺麗にしてくれる人がいい加減な性格だと、ぐちゃぐちゃと散らかっていってしまいますよね。
土台をどれだけ作り込むか
WPでHPを制作することも、今では個人でテンプレートを買ってできちゃうくらいです。
ですが、この最初の作り込みをどれだけ行うかでそのあとの運用がかなり変わってきます。
例えば投稿機能でTOPページのバナーを管理できるかどうか。この機能が備わっていない場合だと、バナーを替える度にエンジニアにお願いすることになります。しかし、こちらで触れるように機能して事前に備えておけば、毎度依頼しなくてもバナーの差し替えはできちゃいます。
これらの作り込みを、どれくらいのスパンで運用していくのかを前提で考えていく必要がありますね。
わからないことは触らない
あとこれは当たり前なのですが、Web上のサイトはコードで書かれています。このコードというのはちょっと変更を加えるだけで正常に機能しなくなったり、レイアウトが大きく崩れたりしちゃいます。
全くWebの知識がない方はそもそもそこまで行き着かないのですが、ある程度の知識を習得すると触りたくなっちゃうことがあります。僕たちのお客さんでも、やっぱり触っちゃう人は一定数いたりします。
「あ、これくらいならできるでしょ」と思ってサーバー上のコードを触ってしまうと、取り返しのつかない事態になってしまう恐れがあるので、わからないことは素直に外部の担当者に依頼しましよう…。
内製化の無料相談会を実施しています。
とは言え、いざクリエイティブの制作を内製化しようと思っても、どういったところから着手して良いかわからない…という方も多いはずです。
そこで、Sokoageでは私たちがご提供している『NAISEI(内製化支援サービス)』のご案内も含めて、企業のクリエイティブ内製化についての無料相談会を開催しております。
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まとめ
自社でどこまで内製制作ができるかについて考えてみました。
映像制作は、ノンフィクションはできるけど、フィクションは難しい。
デザインは、デザインデータは扱えるようになるけど、ロゴなどのデザインを考案するのは難しい。
Webは、日々の更新や正しい運用はできるようになるけど、コードを触ったりすることは難しい。
という結果になりました。
「どこまで内製化するか」によると思いますが、ある程度の目標を持って社内に担当をつくった方が効率的ですのでその際の参考になれば幸いです。