あなたは今、誰かに仕事を教える立場ですか?
それとも、誰かに仕事を教わる立場でしょうか?
どちらの立場にいる方も、一度は上司や先輩に”仕事を教えてもらう”という機会があったはずです。
一昔前までは、よく「教え方」に注目が集まっていましたが、ぼくはこれ以上に教わる側の「教えられ方」が重要だと思っています。
これから年度が変わって、新しく仕事を始める方や、新しい業務を覚える方は、是非この記事を参考に「教えられ方」を意識してみましょう。
まずは、この体験談を聞いてもらいたい。
自分で言うのもアレですが、ぼくは会社での人間関係が決して下手ではありませんでした。よく先輩や上司に飲みに連れて行ってもらっていたし、同僚や部下とも上手に仕事をしていたと思います。
かれこれ10年以上会社員をやってきた中で、そんなぼくが一度だけキレてしまった事があります。
先に言っておきますが、ぼくはめちゃくちゃ温厚です。多少の理不尽は耐えられますし、お店で直接クレームを言った経験もありません。(チキンかな?)
しかし、その瞬間は突然やってきました。
キレてしまったのは仕事を教えてる時
ぼくは既に別の勤務地への異動が決定していて、残された期間で引き継ぎをしなければいけない状況でした。
3つくらい離れたその後輩は、これまで一緒に仕事をするうえでは特に目立った点はなく、良くも悪くも普通の子で問題なく引き継げると思っていました。
大半の業務は無事に引き継ぎを終え、細々とした雑務を引き継いでいる時でした…
「それって、こういう風にやる必要なくないですか?」
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「んっ?」
まぁ、確かにオペレーション的には少し無駄と思える工程も入っている作業だったかも知れないが、後輩はこの業務を今初めて知ったところだ。
自分なりの考えがある事はとても良い事だし、業務にアレンジを効かせる事もとても良いと思う。
ただ、初めて覚える業務を教えてもらっている時に言う台詞ではない。もう一度言う、この後輩は今までこの業務の存在すら知らなかった人間だ。
もちろん、この一言でキレたわけではないが、この発言がきっかけになった事は間違いない。
会社にはルールと歴史がある
少しだけ話を脱線させます。
当初ぼくは1,000名規模(アルバイトスタッフ含む)の会社にいました。そこで先輩に仕事を教えてもらっている時に言われた言葉があります。
「何か面倒臭い手順がある業務ってのは、過去に何かあってそうなってるから、しっかり覚えた方がええで!」
これです。
つまり、面倒な業務も先人たちの苦労から生まれた最善の形なんですよね。
これは、マニュアルの多い大企業あるあるなので、ピンと来ない方もいるかも知れませんが、”そうなった理由”があるという事です。
ぼくは、これを聞いていたからこそムッとしましたね。
キレたあと
話をキレた現場に戻しましょう。
ぼくが怒るイメージがなかったからだと思うんですが、後輩はすぐに黙って頷くだけになりました。
こうなると、暖簾に腕押しで何を言っても意味はありません。やはり、こういう場合は感情的にならない方が良いですね。
その後、教えた業務は教えた通りにやるようになったみたいですが、感情的になった事はは反省してます。
ごめんね…(๑´ڡ`๑)
良い「教えられ方」とは?
ここからが本題です。(体験談が長くてスミマセン…)
ぼくが思う、良い「教えられ方」をご紹介しますので、自分で出来ていない事があったら取り入れてみてくださいね。
ちなみに、この記事で紹介するのは「相槌を打つ」とか「言い返し確認」とかのコミュニケーションの部分ではなく、より具体的な現場に即した「教えられ方」です。
- 教わった通りに一通り出来るようになる
- その後もちょくちょく確認する
- 私が担当になりました!を周知
- 番外編
これら4つに分けてご紹介してきますね!
まずは、教わった通りにやってみる。
これです!これに尽きます!!
と言うか、この記事でお伝えしたい大半はこれなんです!
初めて教わる業務は、まず教わった通りに出来るようになってください。自分なりにアレンジしたりするのはその後です。
前述の通りですが、会社にはルールと歴史があります。何事も、それを知った上で自分らしさを出さなければ、ただの異物として認識されてしまいます。
せっかく、良いアイデアやセンスを持っていても、それでは勿体ないですよね。
教える側を安心させよう
業務を教えるという事は、この教える側にも大きな責任があります。
なので、教える側としては“一通り出来るようになる”まではOKを出しづらいものです。教わる側はこれを理解しましょう。
そんな状況で、自分なりのやり方を始められるとOKの判断が付かないんです。もちろん、結果的に正解であれば良いんですが、会社員という性質上なかなかOKとは言い切れません。
まずは、一通り教わった通りに出来るようになる事が先決です。
責任が誰にあるか考える
これも続きみたいなもんですが、しっかり1人で出来るようになるまでは、だいたい教えた先輩に責任があります。
もし、教えた業務で新人さんがミスをした場合、「ちゃんと教えたの?」と教えた側が詰められるのが日本の会社の大半でしょう。
当たり前ですが、自分で責任が取れない以上は、勝手な事をしてはいけません。周りの人の事も考えましょう。
アレンジはその先
自分なりの考えで、自分のやりやすいように仕事を進める事は悪い事ではありません。むしろ、良い事です。
しっかり業務を覚えて、先輩も安心させたうえで、自分なりのアレンジを加えていきましょう。
先輩の手を離れてからはミスをしたら自分の責任、成功したら自分の成果になります。ここのタイミングを間違えないように!
その後も、ちょくちょく確認する。
業務を教えてもらい、1人立ちしたあとも、先輩は少なからずあなたの事を気にしているものです。
これは「教えられ方」というよりコミュニケーションに近いかも知れませんが、その後もちょくちょく確認しにいきましょう。
それこそ、業務に自分なりのアレンジを加える時とかに相談に行くと、先輩も喜びます。
合ってるとわかっていても確認に行く
日本の会社員の大半は、後輩から頼られたい。と思っているはずです。
せっかく業務を教えたもらった先輩ですから、最初のうちは合ってるとわかっていても確認に行きましょう!
これをする事で「よし、こいつはちゃんと業務を理解したな!」と先輩に印象付ける事が出来て、とても安心します。
ただし、何度もこれをやってると逆効果になるので、やり過ぎ注意ですよ!
私が担当になりました!を周知
教えてもらった業務を問題なく1人で出来るようになったら、最後の仕上げです。
もし、その業務をあなたがメインで実施する事になるのであれば、その事を周りにしっかりと伝えましょう。口頭だけではなく、メールなのかチャットなのか、しっかりエビデンスが残るような形が望ましいです。
これにより、この業務が基本的にはあなたの所に来る事になります。イレギュラーな案件や、緊急性の高いの案件などもあると思いますが、数をこなして経験値を貯めてください。必ず乗り越えなければいけない壁です。
これに関しては社内ルールがあるでしょうから、それに則って進めてくださいね。
番外編:メモを取らないやつは論外
「教えられ方」について、ぼくの経験から3つの大切なポイントをご紹介してきました。
最後に番外編ですが、たまにいます。メモを取らないやつ…これは、もはやマナーの問題じゃないかなって思います。
教えるとか、教えられるとか以前の問題ですよね。絶対にやめましょう。
今の時代だと、紙と鉛筆じゃなくて、PCやタブレットに控える人も多いです。少なくともこれはやりましょう。(個人的にはオススメしませんが…)
メモを取らない人に何かを教えると言うのは、教える側からしたら不安です。不安というか、「覚える気あんの?」「今からの時間を無駄にするつもりか?」くらいの気持ちになります。
何か教えてもらう時は、しっかりメモを取りましょうね。
少し古臭い考えの部分もあったかも知れませんが、どれも非常に大切な「教えられ方」だと思っています。
全てに共通しているのは、“相手の事を考える気持ち”です。教える側も、教えてもらう側も気持ち良く仕事が出来るように、もう少しだけ相手の事を考えてみましょう。