この記事では、シリーズとしてAdobeの映像編集ソフト、PremiereProの基本的な操作方法についてお伝えします。今回はツールパネルなど具体的な編集機能について詳しく説明します。
「見やすく、初心者でもわかりやすい」をモットーに、記事を読みながらPremiereProを使い倒してください。
各操作パネルの名称
まずは編集を進める前に、各パネルの名称を確認しましょう。本記事では1~2の機能を詳しく解説し、3~5の機能は次回の記事にて解説します。
1.プログラムモニター
一番メインで見るところ、編集している(タイムラインに乗っている)素材がプレビューで映されます。どこで切るか、どこに効果を当てるかなど、ここのプレビュー画面をメインで確認しながら作業を進めます。
2.ソースモニター
1.のプログラムモニターと似ているのですが、こちらは選択している素材自体を表示しています。読み込んだ状態の尺がそのままで表示されているので、ここから必要な箇所を切り出してタイムラインに乗せたりします。
3.プロジェクトパネル
現在のプロジェクトで取り扱っているファイルを格納している場所です。読み込んだ素材や、シーケンスファイルなど。基本的にここにドラッグ&ドロップで素材を読み込ませることができます。
4.ツールパネル
タイムライン状に並べた素材を選択したり、切ったりできるツールが並んでいます。ここを使いこなすことで編集効率がグッと上がるので、次回の記事で詳しく説明します。
5.タイムライン(シーケンス)
左から右へ進んでいくタイムライン(時系列)になっています。ここに素材を入れ、一つの映像を完成させます。シーケンスとも呼ばれていますが、基本的には他のAdobeソフトと同じく、レイヤー形式になっています。層の上に読み込ませた素材は、紙を重ねるように下の層の素材を覆います。
1.プログラムモニターについて
まずはプログラムモニターの機能について説明します。この機能は②のソースモニターと同じ機能があります。
1.マーカー機能
所謂付箋です。このマーカー機能を使って、タイムライン上の素材にマーカーを打つことができます。後にマーカーにメモを残したり、色分けしたマーカーをフィルタリングしたりと、クライアントと密なやりとりを行う場合の編集ではかなり便利です。
2.イン、アウトのマーク
後述のリフトや抽出に関わってくるのですが、ここで素材に対するイン点(始まる場所)とアウト点(終了する場所)を決めて、素材の使う部分を選択することができます。素材をそのまま使うということは基本的にないと思いますので、イン、アウトのマーク機能で素材を仕切ってあげます。
プロジェクトモニターよりも、ソースモニターで素材をタイムラインに乗せる前の段階で使用することの方が多いと思います。
3.再生機能
単純な再生機能です。ワンフレーム前後に進んだり戻ったり、イン点アウト点に移動するボタンが並んでいます。ちなみにショートカットキー「スペースキー」で選択しているモニターの再生が可能です。
4.リフト
イン、アウト点をマークしたうえで、該当箇所を切り取ります。抽出と違うのは、リフトは切り取った箇所が空白状態になります。
5.抽出
イン、アウト点をマークしたうえで、該当箇所を切り取ります。リフトとの違いは、切り取った後に両サイドの素材を詰めて空白を埋めてくれます。
6.フレームを書き出し
編集では使わないですが、スクリーンショットを保存することができます。現在選択している箇所の静止画を書き出してくれます。画質はシーケンスの画質設定、または素材の画質に依存します。
7.比較比率
プレビューの表示の比率を変更します。ノイズなどが気になるときなど、高倍率にして確認ができます。
8.画質設定
プレビューの画質設定を決めれます。4K素材や、パソコンによってはFHDの再生もカクカクしてしまう可能性があるのですが、プレビュー段階のみで画質を1/2や1/4に設定し、軽くすることができます。書き出す映像には影響しません。
2.ソースモニターについて
プログラムモニターと被っている機能は省略して、ソースモニターにしかない機能を紹介します。
1.ビデオ/オーディオのみドラッグ
選択箇所のビデオかオーディオいずれかのデータのみをタイムライン上にドラッグ&ドロップできます。ちなみに、プレビュー画面を選ぶと素材の選択範囲のビデオとオーディオの両方を移動できます。
2.エフェクトコントロール
素材にかかっているエフェクトや、素材そのもののX軸Y軸の配置、スケールなどを調節できます。大切なのは、ここに表示されているのはソースモニターで選択している素材ではなく、タイムライン上に乗せている素材のエフェクトコントロールが表示されます。
3.オーディオクリップミキサー
素材の音源のミキサーです。音量を調節したり、L(Left)とR(Right)のバランスを調整できます。
4.メタデータ
素材自体の持つデータ情報が表示されます。撮影日時や素材の画質設定など、結構細かく表示されるので確認作業などで使えます。
まとめ
今回は編集機能の主にプロジェクトモニターとソースモニターについて説明しました。各ツールの使用方法を知ることで、基本的なことから作業効率アップの応用的なところまで使えますので、是非チェックしてください。
次回はプロジェクトパネル、ツールパネル、タイムラインの機能について説明します。