ぼくのおばあちゃんは電車に乗る時にお弁当を作ってくれていた。

ぼくは北海道の帯広という、農業・酪農が盛んな町に生まれました。

特に実家が農家だったわけでもなく、ごく一般的な家庭で何一つ不自由なことなく育ちました。

雪が降っても自転車で移動してたので、東京に雪が降って転んでる人を見ると「なにやってんだろ…」と思います。

家族での移動は基本的に車。両親とも車を持っていたので、家には2台の車があり、旅行とかも道内なら基本的には車で移動です。

つまり、電車やバスという公共の交通機関を使うことは滅多にないような環境で育ちました。

今日は少しだけそんな話をさせて頂きます。

バスや電車を使うとき

そんなぼくらが電車やバスを使うのは、特定のシーンだけでした。

  • 友達と札幌とかに行く。(滅多にない)
  • 妹と釧路に行く。(年に1回あるかどうか)
  • 運転が苦手なおじさんと旅行。(年に1回程度)

結構考えましたが、本当にこれくらいです。

飛行機なんて、まず乗りませんね。

電車に乗る時はおばあちゃんがお弁当を作ってくれる

そんなぼくが電車に乗ってどこかに行く時は、(ほぼ)必ずおばあちゃんがお弁当を作ってくれていました。

電車に乗ってる時間が30分を超えるような場合は、絶対に作ってくれていましたね。

黒糖を入れて作る卵焼きが大好きで、必ずお弁当には卵焼きが入っていました。

その卵焼きと、筋子のおにぎりとのコンビが最高に好きだったので、そんなおにぎり弁当が鉄板でした。

小さい頃から、そんな環境で育っていたので、今でも『電車に乗る時はお弁当を食べる』というのがどこかにあります。

大阪で受けた衝撃

そんなぼくが大阪の専門学校に入学して、友人と電車に乗っているある時、これまでの常識を覆す出来事が起きます。

たまたまぼくはお弁当を持っていて、席にも座れたのでお弁当を食べようと開封していました。

すると、その友人は慌てた様子で「なにしとん!電車で弁当なんて食べなや!」と、ぼくのお弁当を押さえ込みました。

“は…??”

これまで、おばあちゃんのお弁当を片手に電車に乗っていたぼくには理解が出来ませんでした。

今でこそ、そんな事はしませんが、北海道から出て来たばかりの若かりしぼくには、そんなマナー知る由もなく、ただただ衝撃を受けたことを覚えています。

きっと、この友人に賛成する意見が大半だと思います。今ではぼくもそうです。

でも、実際こういう環境で育ち、こういった行動をする人間も一定数います。そんな北海道で18年間育ってきた人と、大阪で18年育ってきた人の『普通』が同じなわけはありません。

『普通』とか『常識』という言葉

前置きが長くなりましたが、人にはそれぞれ必ず”主観”があり、その人の持っている『普通』とか『常識』は育ってきた環境や、今置かれている状況など様々な要素で構成されています。

特に、ぼくらのように「デザイン」や「映像」など、正解がないものを作っていくシーンでは、こういった言葉は禁物だと思っています。

クリエイティブに『普通』や『常識』はありません。

企画段階や、修正の話をしている時に「普通こうだよね?」とか「常識的にはこっちじゃない?」みたいな話をする人もいますが、どこか違和感を感じます。

誰が見ての『普通』なのか。誰にとっての『常識』なのか。

もしこういった言葉を日常的に使っている人がいれば、ちょっと考えてみてほしいです。

なるべく”主観”で判断しない

例えば、新しいイベントのポスターを作っているとします。

みなさんはデザインの良し悪しを、どの観点で判断しているでしょうか?

「自分の好きなトーンだから」「なんとなくオシャレだから」という理由だけで選んでいるなら気を付けてほしいです。

そもそも”自分の”とか、”オシャレ”という言葉が主観的な感覚であり、それに頼るのは非常に危険です。

この担当者の主観で物事を判断している限り、ずっとその枠を超えられません。

本来、こういったデザインを作る時に判断しないといけないポイントは…

  1. 自分たちの会社・ブランドのコンセプトを体現出来ているか
  2. 他ツールとの統一は図れているか
  3. 目的達成のための設計があるか

この辺りを基準に考える必要があります。(これらそれぞれの詳細は、近日また別の記事で詳しくご紹介します。)

その上で、使われるシーンに合致しているか、ターゲットに合致しているか、時代に合致しているか。を見ていきましょう。

この辺りから、オシャレかどうかという判断が出来るようになります。

若者にとってのオシャレと、おじいちゃんおばあちゃんにとってのオシャレは全然違いますよね?

デザインの良し悪しは成果が出るかどうか

ツール1つ1つを良いものにしていくのも、もちろん大切な作業です。

しかし、それらがバラバラなものであっては、会社・ブランドとしての認知が広まらず、せっかくの施策に相乗効果が生まれず、思うように成果に繋がりません。

デザインは完成した時点では、本来良い悪いの判断は出来ません。

前述の「1」と「2」はこの段階で判断出来るので、方向性的に間違ったものでないかというのは、このタイミングでも判断は出来ます。

ただ、本来はそのデザインが使用されて、目標としていた事が達成された時に、初めて『良いデザイン』であると判断出来るものです。

当然、マーケティングと密に連携する必要があり、そのデザインがどういった役割を持っているのか、前後関係まで詳しく把握してないと成果には繋がりません。

まとめ

おばあちゃんのお弁当から、主観の話をしてきました。

もちろん、お伝えしたいのは後半の「主観でクリエイティブを判断しない」というお話ですが、みなさんの会社ではどうでしょうか?

きっと、外注のデザイナーさんがいて、デザインの担当者がいて、それを確認する上長がいて…みたいな体制でデザインを作っていると思います。

担当者や確認する上長が、主観で良し悪しを判断しちゃっている事はありませんか?

しっかり、会社・ブランドとしてのデザインである事を意識して、判断の基準をもう一度考えてみてください。

そうすることで、1つ1つのツールが相乗効果を生み、これまで以上に成果に繋げられる可能性があります。

ぜひ、次から着手するデザインでは、こういったことを意識してみてください。

気軽に参加できる無料オンライン相談会やってます。

「こんな事って出来るんですか…?」 「こんな課題があるんだけど、なにか手軽に出来ることないですか…?」
お問い合わせや資料請求するほどじゃないけど、クリエイティブ関連でちょっとSokoageに聞いてみたい。というラフな相談から始められる、無料オンラインミーディングです。

PROFILEわたしが書きました

みやざわ

『Sokoage Magazine』の管理人です。
Sokoageの代表として、デザイン/マーケティングの仕事をしています。 尊敬する人物は、ジャッキー・チェンとプロゲーマーのウメハラさん。K-POPと中華料理が大好きで、ゲーム・漫画・映画を嗜みます。北海道帯広生まれ。