人間関係は慎重に…知人・友人から仕事をもらうメリット&デメリット。

起業をして、自分の会社を広めようと知人や友人にSNSなどを通じてお知らせする。

ほぼ全ての経営者が、この道を通るはずです。ぼくも例外なくそうでした。

そうすると、「お願いしたいことがある!」「一緒に仕事しよう!」など嬉しい連絡が届くようになります。

うちの場合は、デザインやWeb、動画といったどんな企業にも必要なものを提供する会社なので、特に多かったのかもしれません。

当然、起業したての頃はこういった知人・友人の案件で実績を作るということも大切なことなのですが、気をつけるべき点も多いです。

そんな知人・友人案件をいくつもやってきたからこそわかる、メリットとデメリットをご紹介します。

メリット

まずはメリットから。

業種・業態によって、その捉え方は変わるかもしれませんが、考え方は共通していると思いますので、参考にしてください。

紹介をしてもらいやすい

真っ先に出てくるメリットとしては、これでしょう。

実際に仕事を一緒にして、こちらから提供できるものや、仕事の進め方を知ってもらったうえで、そこと取引のある会社を紹介してくれることが多いです。

「前の職場の同僚で…」とか「昔からの友人で…」と、普通に取引のある企業よりも”友人の企業”は紹介しやすいですよね。

しっかりと仕事をしていれば、この紹介が紹介を呼び、労力の掛かる営業をしなくても案件を獲得することが可能です。

強力なパートナーになりえる

その知人の会社が異業種であれば、お互いのアセットを共有して新たな事業に派生させたり、プロジェクトを立ち上げたり…

様々な協力体制を構築し、自分たちの売上に繋がる動きをしていく事が可能です。

他の企業であれば、なかなかこういう動きにはなりづらいですが、知人・友人という関係性があれば、こういった動きもスムーズに進めていけます。

お互いの本気を知ることができる

社内の打ち合わせと、クライアントとの打ち合わせでは見せる態度が違うように、お互いが同じ会社で働いていても、なかなか相手の本気を見れる機会って少ないですよね?

しかし、独立して自分の会社の看板を背負うようになったら、少なくともこっちは本気です。

向こうとしても、知人・友人とはいえ外の会社と仕事を進めるわけですから、社内MTGとはわけが違います。

そういった意味で、お互いの本気を知ることが出来ます。

チャレンジできる

うちの場合は、これに恩恵を感じることが多いです。

例えば、デザイン案件の依頼があったとします。多少飛び抜けたデザインをしたくても、なかなかクライアントの許可が取れなくて、結局ありきたりなデザインに落ち着いちゃう…みたいなことが多いです。

しかし、お互いを知った仲で信頼関係もあれば、そういったデザインの提案も楽しんで受け入れてくれたりするので、チャレンジできる領域が大きいです。

こういったところでの実績を持っておいて、また新しい案件に繋げることが出来たりしますね。

達成感がすごい

これは、結構主観的な部分が大きいですが、知っておいて頂きたいです。

今まで、一緒の会社にいた友人や、昔から遊んでいた友人と仕事をして、何かを完成させる。考えただけですごい事ですよね。

さらに、そのプロジェクトが成功した時に達成感は並大抵のものではありません。起業した人が「あのまま会社員をしてたら感じれなかった」と言う達成感はここにあると思っています。

デメリット

続いて、デメリットです。

仲が良ければ良いほど、このデメリットが目立ってくることもあります。ビジネスと遊びは全く別物なので、気をつけましょう。

お金の話がしづらい

まずはこれです。

もしかしたら、性格によるところもあるかもしれませんが、見積もりや請求の部分に”出しづらい”感情がついてまわります。

出来たら安く協力してあげたい…でも、会社の経営的には売上も上げたい…という苦悩があります。

ここの判断は、それぞれの関係性や事業モデルにもよるので、その都度判断していくしかありませんので、自社の料金テーブルや経営状態と合わせて判断していってください。

優しさ対応が多くなる

お金の話とも近い部分ですが、普通は別途追加料金だけど…みたいな対応が増える傾向があります。

これまた、良し悪しは環境によってくる部分ですが、「ごめん!これだけ対応してほしい…!」みたいな連絡があった時に、友人であれば助けちゃいますよね…?

これによって、自分たちの経営状態が悪くなるような場合は、心を鬼にして断った方が良いですが、大抵の場合は優しさで対応しちゃうと思います。

これも見込んで見積もりとかを作れてる人は凄い!尊敬します。

納期やルールがなぁなぁになりがち

これも知人・友人関係があるからこそでしょう。

決めた納期を守れないとか、決めたルールを破ってしまう。という事ではなく、お互いの間でオリジナルの納期やルールを作っちゃうという事です。

例えば、通常は初稿提出まで1週間をもらっているような案件でも、知人・友人からのお願いで3日後に提出するように納期を設定したり…

基本的には支給をお願いしている、テキストデータや画像データもイメージの共有だけだったり…と、その内容はバラバラですが、多少なりともお互い甘えが出てしまう事は大いにあると思います。

友人関係にヒビ?

これは、思うようなものが納品出来なかったり、案件を進めている中でのコミュニケーションでズレが生じたり、原因は様々ですが友人関係にヒビが入るような結果を招くこともありえます。

知人・友人ならではの、「●●なら何とかしてくれる!」みたいな過度な期待から仕事に入るのはやめた方が良いです。

もし可能なのであれば、知人・友人だけで仕事を進めるのではなく、第三者を入れて進行管理などをしてもらうべきでしょう。

知人・友人とはいえ、出来る/出来ないの線引き、仕事/遊びの線引きは意識して進めていきましょう。

その他の注意事項

これまで、ぼくやぼくの周りの経験談に基づき、メリットとデメリットをご紹介してきました。

最後に、知人・友人と仕事をする場合に気をつけておきたいポイントをご紹介しておきたいと思います。

タダで仕事をしてはいけない

「タダより高いものはない」と言いますが、まさにそれです。

もしかしたら、友人だから…と費用なしで仕事を受けようと思っている方もいるかもしれませんが、これは決してオススメできません。

理由はいくつかありますが、この“タダの仕事”は結果的に自分の首を絞めることになります。

少なからず他の案件を進めながら、この知人・友人案件を進めているはずです。その時に、タダでやっている案件には力が入らなくなります。それはやがて、優先順位を落とす事、クオリティを落とす事に繋がります。

そして、デメリットで触れた「友人関係にヒビ!?」に繋がります。

もし、仕事を依頼してくれようとしている知人・友人が、最初からタダでやってもらおうと考えている人なのであれば、それは論外です。きっぱり断りましょう。

いくら経営が苦しくても、本気であれば少なからず予算を割きます。その本気度を感じられない知人・友人の案件に、あなたが時間を割く必要はありません。

ちなみに、どんな人にも”タダでもやりたい仕事”というものがあると思います。(例えば、ぼくならジャッキー・チェンと仕事をする。とか)

もちろん、ここで説明した”タダの仕事”は、これとは意味が違いますのであしからず。

受ける受けないの判断を慎重に

領域としては近いけど、うちで受けられるか微妙な案件ってありますよね?

知人・友人だからと言って、これを安易に受けてしまうことも避けましょう。

例えば、「どう考えても人手が必要だけど、そんなに社員がいるわけでもない…でも、自分が頑張ればなんとかなるか!」みたいな案件や、「アウトプットとしてはイメージ出来るけど、その過程が未知数だな…」みたいな案件です。

他の企業から依頼があった場合、しっかりと下調べと準備をして返答すると思いますが、知人・友人の場合これを安易に受けてしまうケースがあります。

決して間違った判断だとは思いませんが、しっかりと自社の状況やリスクも考慮して判断しましょう。

これも場合によっては、悪い結果に繋がってしまいます。

最後に

知人・友人から仕事をもらう場合の、メリットとデメリット、注意事項をご紹介してきました。

独立したての頃は、喉から手が出るほど案件が欲しいものです。これは痛いほどわかります。

しかし、これが原因で悪い結果を招くことは本末転倒です。しっかりと自社の計画を立てて、その計画上に知人・友人の案件があるか判断しましょう。

そして、自分と会社を守るために、時には心を鬼にすることも大切です。

業種・業態によって、考えないといけないポイントは様々だとは思いますが、おそらく「関係性に捉われず、冷静に判断する」という事は共通していると思います。

仕事が原因で友人を失う事は悲しいことです。人間関係も仕事も、慎重に進めていきましょう。

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PROFILEわたしが書きました

みやざわ

『Sokoage Magazine』の管理人です。
Sokoageの代表として、デザイン/マーケティングの仕事をしています。 尊敬する人物は、ジャッキー・チェンとプロゲーマーのウメハラさん。K-POPと中華料理が大好きで、ゲーム・漫画・映画を嗜みます。北海道帯広生まれ。