こんにちは。Sokoageの宮澤です。
早速ですが、みなさん。Illustratorのパスファインダーって使ったことありますか?
デザインで絶対毎回使う!って程ではないんですけど、ロゴやアイコンを作ったり、少し変わった図形が必要になる時には、このパスファインダーが大活躍です。
ぼくもそうだったんですが、Illustratorを使い始めたばっかりの頃は、パスファインダーという存在自体知りませんでしたし、全然使っていませんでした。というより、必要なほどの作業をしていませんでした。
ただ、これを使えるようになって、確実にデザインのバリエーションが増えますし、自分のやりたい事が出来るようになるはずなので、まだ使ったことないという方は、ぜひこれを機に覚えていってほしいなと思います。
というわけで、今回はこの「パスファインダー」で出来ることをご紹介していこうと思います!
パスファインダーとは
この、パスファインダーのウィンドウを見ると、「2つのオブジェクトが重なって何か出来そうだな…」というアイコンが並んでいます。
実際、パスファインダーというのは、複数のオブジェクトと組み合わせて、新しい形のオブジェクトを作り出すことが出来る機能です。
それぞれのアイコンで、組み合わせたオブジェクトから出来る図形が変わってくるので、それぞれの内容を見ていきましょう。
- 合体
- 前面オブジェクトで型抜き
- 交差
- 中マド
- 分割
- 刈り込み
- 合流
- 切り抜き
- アウトライン
- 背面オブジェクトで型抜き
ウィンドウ内に見えているアイコンは、1〜10まで上記のように名称が付いていて、それぞれのアイコンにマウスオーバーすると、この名称が表示されます。
アイコンをクリックすると、その内容に応じた効果が適応されて、新しいオブジェクトへと形を変える。という感じです。
1.合体
これは読んで字の如く…という感じですね。
選択したオブジェクトを、全て1つのオブジェクトとして「合体」させます。
個人的にはこれはよく使いますし、一般的にもわかりやすくて使いやすいと思っています。
合体した後は、複数のオブジェクトが1つになるので、塗りと線、アピアランスを1つで管理できるので便利です。
もちろん、便利な一方で1つにまとまってしまうので状況に合わせて使ってください。
ちなみに、最前面にある塗りと線の情報が、合体後のオブジェクトには適応されます。
2.前面オブジェクトで型抜き
これも、読んで字の如くですね。
上に重なっているオブジェクトの形で、下にあるオブジェクトを型抜きしてくれます。
今回の参考で見ると、黄色い丸の右側だけが型抜かれていますが、黄色い丸の真ん中に赤い図解があれば、ちゃんと真ん中が型抜かれます。
ちなみに、こちらは”前面のオブジェクトで”型抜きなので、後ろにある黄色い丸の線と塗りの情報が、そのまま反映されます。
3.交差
ここからは、読んで字の如く…とはいかないようになってきますね。
事前知識がないと、どんな感じで結果が反映されるか想像できないものになってきます。
こちらの「交差」は、複数オブジェクトの ”重なっている部分だけにする”というのが正しい表現になるかなと思います。
今回の参考の場合は、黄色い縁の右側部分、赤い四角と重なっている部分だけが残って「D」のような形になります。
4.中マド
「中マド」は、”オブジェクトの重なっている部分だけを抜く”という感じです。
前述3の交差の真逆の処理をイメージしてもらうと、わかりやすいかもしれません。
これは、ロゴを作ったりしない方はあまり使わない機能かもしれないですね。
5.分割
ここから、 少し処理が複雑になってきます。
その分、出来ることも広がるはずですので、ぜひ一度使ってみてほしい機能のです。
この「分割」は、わかりやすくいうと”境界線が重なってる部分でオブジェクトを切る”という感じです。
包丁のようなもので、オブジェクトが重なっている部分を上から切って、そこでオブジェクトが分かれる。と考えてみてください。
今回の参考を見ると、黄色い丸の右側(四角が重なった部分)が削れ、2つが重なった「D」の部分が分解されて、その外側も切り離された。という結果です。
これは、背景デザインを作る時とか、文字の後ろに敷くデザインを作る時とかに、よく使います。
ちなみに、上図ではわかりやすく、それぞれのオブジェクトを離していますが、実際にはオブジェクトそれぞれがグループになっているので、グループ解除してそれぞれを移動したり編集したりします。
6.刈り込み
こちらは、オブジェクトが2つだけだと少しわかりづらいので、3つのオブジェクトを用意しました。
次にご紹介する、「合流」と対をなすような内容なので、2つ合わせてご確認頂ければと思います。
この「刈り込み」は、オブジェクトが重なる部分が削除され、もともとの前面オブジェクトも残るような処理になります。
今回の参考で、前面にあるオブジェクトがその下の全てのオブジェクトに影響を及ぼすので、間にある四角形も前面にある三角形の影響を受けています。
7.合流
合流は、前述の「刈り込み」と似た処理になります。
刈り込みの処理をしたうえで、重なっている同じ色のオブジェクトは「合体」します。
今回の参考を見ると、刈り込みと違い、赤い三角形と四角形が1つのオブジェクトになっているのがわかると思います。色が違えば、刈り込みと同じ処理になります。
この違いをわかりやすくするための、この「刈り込み」と「合流」はオブジェクトを3つ用意しました。
8.切り抜き
こちらは前述の「交差」と同じような処理です。
交差が、”重なっている部分だけにする”に対して、こちらの切り抜きは”重なっている部分だけ残す”という表現が合うかなと思っています。
交差では残った「D」の部分が、前面オブジェクトの塗りと線の情報を引き継ぐのに対して、こちらの切り抜きは、もともと背面にあった黄色い丸の塗りと線の情報を引き継ぎます。
Illustratorの機能でいうと、クリッピングマスクのような状態に近いですね。
9.アウトライン
こちらの「アウトライン」は、今までの処理とは少し見た目も変わる処理です。
選択したオブジェクトが、線だけの状態になります。
ちなみに、それぞれの線のオブジェクトが独立した1つのオブジェクトとして生成されるので、グループ解除して使えば結構使い所があります。
10.背面オブジェクトで型抜き
最後は「背面オブジェクトで型抜き」ですが、これはまさに前述2の「前面オブジェクトで型抜き」の処理と真逆の内容です。
前面オブジェクトで型抜きすると、後ろにある黄色い丸が、前にある赤い四角で抜かれました。
この、背面オブジェクトで型抜きをすると、後ろから黄色い丸が切り取りにくるイメージです。
参考の図を見ていただくとわかるのですが、黄色い丸があった部分だけ、赤い四角が切り取られてます。
動画でも解説してます。
今回の、パスファインダーについては動画でも解説しております。
実際の操作方法など、詳しくご覧になりたい方は、こちらもぜひチェックしてみてください!
まとめ
パスファインダーの機能について、一通り使い方と、その処理についてご紹介してきました。
こうやって紹介しているぼくですら、全部の機能をめっちゃ使うということはないです。
ロゴやアイコンを作る時とか、案内図や地図を作る時には結構使うんですが、それでも”結構使う”という程度です。
ただ、この機能を知っていると、「提供されたアイコンのデータがオブジェクトめっちゃ重なってて使いにくい…」とか「ここの外側だけに線をつけたいのに…」っていう時に、かなり便利で、その後そ作業もスムーズになります。
全てを一気に覚えて使う必要はないと思うので、まずは「合体」とか「切り抜き」あたりの実用性が高いものから使っていってみてください。
今回の記事が、みなさんの制作に少しでも役立っていると嬉しいです。
最後までお読み頂き、ありがとうございました!