みなさんは、自社で使うチラシやポスター、名刺や会社案内などのデザインをどのように制作していますか?
社内にデザイナーさんがいらっしゃるでしょうか?もしくは外注していますか?
事業内容や、会社の規模によって様々だとは思いますが、このデザイン制作は内製するのが良いのか、外注で作ってもらうのが良いのか。その双方のメリット・デメリットをご紹介していきます。
デザイン外注のメリット・デメリット
まずは社内にデザイン部署がなく、制作物ごとに外注している場合のメリットとデメリットを見てみましょう。
恐らく、それほど規模の大きくない会社の場合は外注していることが多いと思います。
デザイン外注のメリット
- 出来てくるデザインクオリティの担保
- 客観的な視点で表現できる
- デザインを外注する事でコア業務に集中できる
- 必要に応じて予算を割ける
- フィーリングが合わない場合は別のデザイナーに依頼できる
ざっと、これくらいでしょうか。
外で活躍するデザイナーさんたちは、自分でしっかりと経験を積んでいるので、デザインのクオリティが担保されます。当然、最新の技術やデザインも知っている事でしょう。
また、必要に応じてデザイナーさんに依頼ができるので、予算管理がしやすく、自分はコアとなる業務に集中することが可能です。
特に、外のデザイナーさんは自分たちの事業や商品を第三者的な視点で見て、外向けに伝わりやすくデザイン出来るので、こういった理由からデザインを外注している方も多くいる事と思います。
デザイン外注のデメリット
- 制作費用が高い
- 制作期間がある程度必要
- 細かいニュアンスや情報の共有が難しい
- コミュニケーションコストが掛かる
- 情報漏洩のリスクがある
反対にデメリットもご紹介しておきます。
外注の場合、当然ですが制作費用が高くなる傾向にあります。売れてるデザイナーさんになれば、モノによっては数十万ということもザラです。
かつ、デザイナーさんとのスケジュール調整が必要になるので、社内にデザイナーさんがいる場合に比べて、制作期間が伸びてしまいます。
そして、外注の場合に最も気をつけたいのが“コミュニケーション”の部分です。
メリットにもあるように、外注の場合は客観的な視点でデザインをあげる事が出来ますが、事業や商品への理解度が低いと「思ってたのと違うな…」「こういう事じゃないんだよな…」というミスコミュニケーションが、どうしても生まれてしまいます。
これにより、結果的に担当者とデザイナーさんとのコミュニケーションにかなり時間を取られてしまう。という事もあるので注意が必要です。
デザイン内製のメリット・デメリット
それでは次に、デザインを内製した場合はどうでしょうか?
これから内製化しようと考えている方も、ぜひ参考にしてみてください。
デザイン内製のメリット
- 社内にノウハウが蓄積される
- 社内の状況に応じて小回りが効きやすい
- ミスコミュニケーションが生まれにくい
- 自社のブランドを育てていける
- 長期的なコスト削減が見込める
デザインを内製化するという事は、企画から制作まで一連の流れを担当者が理解したうえで進められます。
社内のデザイナーさんも会議に参加するでしょうから、どういう企画が、どういう意図で動いている。という社内の状況を常に把握できます。ここのメリットは非常に大きく、外注のデメリットであった”ミスコミュニケーション”が生まれにくい体制が作れます。
かつ、そういったノウハウを社内に蓄積していけるので、会社の規模に合わせてデザイナーさんを増やすような場合も、スムーズに業務に入っていく事が可能です。
そして、デザイン内製化の最大のメリットは「自社のブランドを育てていける」という点にあります。もちろん、外注でもブランドは育てていけますが、ぼくは『自社で生まれたものが、一番強い。』と考えています。
社内の何気ないコミュニケーション、社風、働くメンバーをよく知り、自社のことをよく知るデザイナーさんが、みんなの思いを代表して作ったもの。それをみんなで育てていくことが、最高のブランディングです。精神論のように聞こえますが、ブランディングを成功させるには担当者だけでなく、社内全体のモチベーションの高さが必要不可欠なので、この考えを大切にしています。
デザイン内製のデメリット
- 制作案件がなければ固定費(人件費)がかさんでいく
- スキルの上達に時間が必要
- 客観的な視点が失われやすい
- 人間関係に影響されやすい
当然、デザインの内製化にはデメリットもあります。
この中でも注意が必要なのが、成長に時間が必要になるという部分です。
デザイナーさんを雇う場合に、ある程度の条件は事前に提示するものと思います。「Photoshop/Illustratorの操作が出来る・デザインの実務経験3年以上・社内外と円滑にコミュニケーションが取れる」など、これらはよく見るデザイナーの募集要項です。
しかし、これに当てはまるデザイナーさんは無数にいます。面接だけでは、その方の意欲やセンス、自社にどれだけ合うかは判断できません。
つまり、デザインを内製化しようとした場合、入社後に時間を掛けて育てていく事が前提になります。これがデザインの内製化に踏み切れない大きなハードルになっている会社も多いと思います。
そうして育ったデザイナーさんは、良くも悪くも”社内のデザイナー”になってしまっているので、客観的な視点が失われやすい。という事ですね。
結局どっちが良いのか。
デザインの内製と外注について、それぞれのメリット・デメリットをご紹介してきました。
結局どっちが良いのか…最終的には、社内の状況に応じて判断していくしかないとは思いますが、ケースに応じたオススメをいくつか記載したので、参考までに以下をご覧ください。
こんな場合は内製化を進めた方が良い
- 直近3ヶ月くらいで、30〜50万円程度の制作をしようと思っている。
- 毎月安定して何かしらのデザイン案件がある。
- リブランディングを考えている。
- デザインをやりたい社員がいる。
- デザインや広告・宣伝まわりのコンサルを受けているが効果が出てない。
こんな場合は外注の方が良い
- 決まったデザイン案件がない。
- 外注の専属に近いデザイナーがいる。
- 人を雇う予定がない。
- 外注のデザイナーとやり取りをする為の専属部署(担当)がある。
あくまで参考ですが、みなさんの会社が今どんな状況か。それによってデザインを内製した方が良い場合と、外注の方が良い場合をまとめました。
今後のデザインの進め方を考えてみてください。
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最後に
デザインの内製と外注について、ご紹介してきました。
クライアントさんからデザインのお仕事を頂いて、制作しているぼくらが言うのも変ですが、条件さえ整っていればデザインは内製化した方が良いです。
デザインはどんなビジネスにも必要で、これからはデザインされている事が当たり前になり、デザインされてないものはお客様に届きません。
印刷会社さんが無料でデザインテンプレートを配布するようになり、Webサイトも比較的簡単に作れるようになりました。
誰でもデザインが出来る。こんな便利な時代ですが、これらを触るのはデザイナーさんであるべきです。デザインの知識がないまま、こういった便利なものを使おうとしても必ずボロが出ます。そして、デザインされたものを日常的に見ているお客様は、そのボロに必ず気付きます。
1人でも多くのお客様に、自分たちのブランドを意図した形で届けられるよう、デザインの事を今より少しだけ考えてみてください。きっとデザインの進め方が変わってくると思います。