みなさんこんにちは、Sokoageの伊藤です。
TIkTokにInstagramのリール動画、YouTubeのショーツなど、最近では映像、動画本来の横長比率ではなくスマホに合わせた「縦動画」が多くなってきています。
そこで本日は、そんな「縦動画コンテンツ」の作り方をサイズから必要な機材まで、動画制作歴10年の筆者が徹底解説していきたいと思います。
縦動画とは?
そもそも縦動画とはなんでしょうか?
動画というのは本来、テレビや映画館のスクリーンのサイズがそうであるように横長の比率をしています(16:9)
ただ最近ではスマホで動画を観る人が増えてきており、横長の比率のままではスマホを横にしたり、スマホを縦向きのまま観ようとするとサイズが小さくなってしまったりと何かと難が出てしまいます。
そこで、スマホ画面いっぱいに縦持ちのまま縦の比率(9:16)で動画を表示するのが、縦動画になります。
縦動画のメリットデメリット
縦動画もいいことばかりではなく、横動画との使い分けが重要です。ここで縦動画のメリットとデメリットもまとめておきましょう。
メリット
縦動画のメリットですが、以下の通りです。
- スマホいっぱいに表示ができる
- YouTubeショーツやInstagramリール、TikiTokに最適
- Instagramのストーリー広告などで使える
- 画面いっぱいに被写体の人物を映せる
などなど…。「スマホ向き」というのがやはり一番大きなメリットですね。
ただ、冒頭で話した通り「横動画との使い分け」というのが重要になります。
YouTubeに通常投稿する動画はもちろん横比率のサイズになりますし、縦動画にすることで後述のようなデメリットも発生します。
デメリット
続いては縦動画のデメリットです。
- PCでの閲覧には適していない
- 横動画から切り抜くと画質の劣化など発生するので制作の際に考慮が必要
- 横動画のプラットフォームでは使いづらい
- 制作コストが増える
などです。特に「制作コストが増える」という点ですが、例えばYouTube運用を例にお話ししてみます。
YouTubeで横動画を通常投稿していて、縦動画のYouTubeショーツも更新したいとします。
この時、「横動画からの切り抜き」で制作することは可能なのですが、それを考慮した撮影を行う必要があります。
横→縦は撮影時に考えておけばなんとかなるのですが、縦→横は画質的にも画角的にも厳しいところがあるので、そういった面からも制作コストが増えてしまいます。
縦動画のサイズ
続いて縦動画の各画質におけるサイズを記載します。編集時に例えばPremiereProだと、シーケンスのサイズを以下に設定すれば、縦型の動画を作成可能です。
HD
720×1280
HDサイズはFHDより少し画質が悪いものの、スマホで観るには十分な画質です。
FHD
1080×1920
FHDサイズはTikTok、Instagram、YouTubeの縦動画で主流の画質です。
縦動画はほぼほぼこのサイズになると思うので、覚えておいた方がよい数値です。
4K
2160×3840
正直対応しているプラットフォームが少ないため、あまり使わないですが…。
FHDよりも綺麗な画質で作成が可能です。
注意点
上記のサイズは全て「編集時のサイズ」になります。
撮影を行う機材に関しては後述しますが、もし仮に撮影素材が「HD」で無理やり「FHD」にしようとすると、当然引き延ばすことになるので画質が劣化します。
逆に、「4K」の動画素材を「FHD」にするのは全く問題ありません(筆者もよくしています)
縦動画撮影に必要な機材
続いて縦動画を撮影するにあたって必要な機材についてです。スマホと一眼カメラで異なるため、それぞれ分けて解説します。
スマホ撮影時に必要な機材
まずはスマホ撮影に必要な機材です。スマホは縦にそのまま撮れば縦動画になるので、これさえあれば縦動画が撮影できる、というものに絞っています。
- 三脚(ミニ三脚)
- 雲台
- スマホ用アダプター(クランプ)
最終形態は写真の通り。これは「マンフロット」というメーカーのミニ三脚とクランプを使っています。
正確にはこれは「雲台」ではないのですが、雲台と覚えたほうが買い揃えやすいのでそうしておきます。
用途に応じてですが、ミニ三脚では足りない場合は通常サイズの三脚を買い、スマホが縦に挟める雲台とクランプを買いましょう。
一眼カメラ
スマホより綺麗な画質できちんと撮りたい、という方は一眼カメラ(デジタル一眼レフ)を使用しましょう。
一眼カメラに必要な機材は、以下の通りです。
- 三脚
- 雲台
- カメラ用ケージ(L字ブラケット)
- ジンバル(お好みで)
最終構成は写真のようになると思います。一眼カメラの多くは横向きにしか三脚につかない仕様になっているので、「ケージ(L字ブラケット)」を使用して縦にもつけられるようにします。
このケージはカメラの機種ごとに販売されているので、ご自身のカメラに合ったケージを購入しましょう。(L字のブラケットでも可)
横動画から縦動画をつくる時の注意点
最後に、縦動画を撮影するのではなく「横動画から縦動画を切り抜く」時の注意点です。
横動画から縦動画をつくるとは?
横動画から縦動画を切り抜く時のイメージは上記画像のような感じです。
横長に撮っている(16:9)動画に対して、縦動画のサイズ(9:16)で切り抜きます。
1つ上の画質で収録する
例えば最終的にFHDの縦動画を作りたい場合、FHDの素材で横動画を撮影すると縦の尺が若干足りず拡大する必要が出てしまいます。
こんな感じになってしまいます(白部分がFHDの素材)
拡大して多少画質落ちてもいいよ、って方はこれでも良いのですが、きちんとしたい方は1つ上の画質、4Kで撮影してFHDで縦動画を作成するようにしましょう。
画面の真ん中で被写体をとらえる
先述のように、横動画から縦動画を切り抜いて使う場合は横動画素材の一部しか使用できません。
なので、できるだけ被写体は画面の真ん中でとらえるようにしましょう。
撮影時に、見せたいモノが縦に切り抜いた際にちゃんと見えているか、を意識します。
カメラには「グリッド」という線を表示する機能がついているので、そういった機能を活用していきましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか。縦動画コンテンツの作り方をサイズから必要な機材まで解説してみました。
縦動画を作ることが増えていると思いますが、最初に言った通り大切なのは横動画と縦動画の使い分けです。用途に応じて、必要な動画を制作しましょう!
少しでも参考になれば幸いです。