制作現場で最も恐ろしい「鶴の一声」を真剣に考える

激動の2021年が終わり、新しい年、2022年が始まりました。みなさん明けましておめでとうございます。Sokoageの伊藤です。

昨年も多くの制作に携わらせて頂き、感謝感激です。しかーし。感謝ばかりではありません。僕も人間なので、落胆したり可愛い我が子の様な制作物を谷へ落とすような気分も味わってきました。

そしてなぜか、2021年は恐ろしい「鶴の一声」による制作現場の混乱を数多く目にしたかもしれません。新年一発目のこの記事では、そんな「鶴の一声」について真剣に考えて見たいと思います。

鶴の一声ってなんじゃ?

鶴の一声

読み方:つるのひとこえ
別表記:ツルの一声

結論をあっさりと下す権力ある一言反対意見にも有無を言わさない権力者意見決断などを指す表現
引用:weblio辞書

鶴の一声とは、書いてある通り、権力のある一言のことであります。

僕はこれを制作の現場では「制作が進む中で、経営トップの気まぐれな一言で全てが変わってしまうこと」という意味で使っています。多分僕だけですかね。

まだ分かりづらいかと思いますので、いくつか具体例を。

  • Webページのデザインが進んでいたが、社長の一言でそのページ自体無しになってしまう
  • 映像制作の撮影が終わり、オフライン編集映像を提出するとそれを見た社長が「もっとクールなテイストにしよう」と言い出す
  • LPを担当者と進めていると、経営層の判断でサービス自体が無くなりLPも不要に
  • 打ち合わせの内容通り進めていたチラシのデザインが、とある社内会議以降全く違うデザインへと変更要望が出た

などなどです。制作に携わっている方はあるあるだと思いますが、実際に会社を経営しながら制作をしていると、こういった鶴の一声で資金繰りが大幅に狂ってしまったりするので実はとても恐ろしいのです…。

鶴の一声への対処

以前より制作現場における鶴の一声に出くわしており、日々頭を抱えていました。もちろん対処が必要なため、様々な予防線を張りました。

僕の本域は映像制作なので、制作工程を下記のようにしてみたりしました。

  1. 企画立案
  2. 絵コンテ提出
  3. ロケハン兼ねて仮編集の映像撮影、提出
  4. 本番撮影
  5. 編集
  6. 納品

今まで3つ目の工程は「ロケハン」のみでしたが、予算に余裕がある場合この工程を「ロケハン兼ねた仮撮影/編集」として、実際に映像にして先方に出すことにしました。

例えばこれがCM制作などの現場の場合、携わる人間は代理店含めて映像のプロ集団です。つまりみんな「絵コンテ」のみで完成をイメージできます。

しかし実際に僕たちがいる現場は、企業の担当者さんや社長など、自社の映像を始めて作る人がほとんどなので、「絵コンテ」を見せてもイメージできないんですね。

つまり、制作物を事前になるべく形にして、会社の多くの人に見てもらうことで、鶴の一声の予防線としたのです。もちろん予算の許す範囲内でですが。

これが意外と効果バツグンで、とってもスムーズに制作が進む現場がいくつかありました。ただやっぱり、それでも鶴の一声によるちゃぶ台返しは起きてしまいます…。

鶴の一声、クライアントに原因がある場合も

これだけの予防線を張っているにも関わらず、制作現場での鶴の一声は起きてしまいます。

原因を探ってみると、「社長が怖くて話せない」や「担当者がいい加減で何も共有されていない」など、意外とクライアント側に原因がある場合もあります。

こういった場合は、制作者サイドではどうにもできないので泣き寝入りしましょう。

というのは嘘で、例えば「進行中の大きな変更には別途費用が発生します」などの文言を見積に加えて説明しておけば、まともな人だと理解して頂けます。

まとめ

新年からあまり気持ちの良い内容の記事ではありませんでしたが、これを読んだ鶴の一声に悩む制作者や企業の担当者の方が少しでも救われると良い1年になるかなと思っています。

それでは皆さん、今年も楽しく笑顔でお仕事していきましょう。

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PROFILEわたしが書きました

itotty

普段は動画制作をしてます。itottyです。
好きな映画は「ファイト・クラブ」、「ブギーナイツ」、エドガー・ライト作品全般などなど。映画がとにかく好きなので、映画と絡めて面白くて、わかりやすい記事を書いていきます!