動画を撮り始めた時に、みなさん一度は「プロが撮っているようなボケが出てて綺麗な動画を撮ってみたい」と思ったことはないでしょうか?
仮にカメラ機材をスマホ以外の良いものに変えても、実際に撮ってみると素人感が抜けずに戸惑ってしまうかと思います。
この記事では、動画撮影を初級〜上級のステップに分けてどうやってステップアップしていけばよいかを、「必要機材」と「テクニック」に分けて解説していきたいと思います。
そもそも「綺麗な動画」とは?
まず大前提として「プロが撮っているような綺麗な動画」について分解して考えたいと思います。
綺麗なボケが出ている
かなり安易な考え方になってしまうのですが、映画やCMなどの一流の映像作品には必ず「ボケ」が効果的に使われていて、「ボケている動画=綺麗な動画」という印象を持っていませんか?
実際に最近発売されたiPhoneのシネマティックモードでは、被写体以外をボカした撮影が可能になっているように、「ボケ」は綺麗な動画を撮るうえで必要な要素の一つです。
見辛い手ブレが無い
プロが撮った動画には、意図しない手ブレや変なカメラワークがありません。すべての手ブレがダメという訳ではなく、見ている側が違和感や不快感を感じないようにきちんと計算されています。
そのためには当然三脚やジンバル、構図に関する知識が必要となります。
カットに意味がある
最後は撮影のテクニックというより、動画全体の話になります。綺麗な動画、いい動画を作るためには各カットに意味を持たせる必要があります。
今映しているカットは何を説明しているのか、何を伝えようとしているのか、などを考えながら撮影していることが多くあります。
例えば、「ただ綺麗な風景」は動画全体にとっていらない場合もありますし、より効果的なカットになることがあります。この編集後の全体構成を考えて、各カットに意味を持たせています。
これらを総合して、「綺麗な動画」としたときに、どういうったテクニックや機材が必要か、以下に書いていきたいと思います。
初級ステップ
まずは初級ステップに必要な機材と知っておくべきテクニックです。
必要な機材
- スマホ
- 数千円のミニ三脚
「綺麗な動画を撮りたい!」と考えて動画を始める方は、まず上記の機材を揃えましょう。
最近のスマホのカメラ機能は高性能なので、ある程度のボケは出ますし、撮ろうと思えば綺麗な動画は撮影可能です。
スマホにつけるミニ三脚は、「手持ち撮影」からの脱却を目指して使用します。普段は手持ちで動画を撮ると思いますが、固定で据えて撮ることで先述の「見辛い手ブレ」を防ぐことができます。
テクニック
- スマホのグリッドをONに
- 被写体を中央に置く
- 「綺麗な動画」か考えながら撮る
初級のテクニックとして、技術的なものは2つあります。まず、スマホのカメラ設定から「グリッド表示」というものをONにしましょう。
グリッドとは何かと言うと、カメラのガイドみたいなものです。グリッドをONにすることで、カメラアプリの画面上に線が何本か表示されていると思います。
実際に撮影する時に、グリッドの線が交わるところや画面の中央部分に被写体を置くように意識してみましょう。そうすることで、動画としての構図が安定します。
また、今自分が撮影している動画は素人っぽいか?プロに近づいているか?を常に考えながら、様々なアングルを試してみます。
中級ステップ
スマホでの撮影が慣れてきて、カメラを買う段階になりました。次は中級ステップの説明です。
必要な機材
- 各メーカーから出ているVlogカメラ
現在、各メーカーがしのぎを削って販売しているカメラのジャンルに、「Vlogカメラ」というものがあります。
これは所謂プロが使っているミラーレス一眼やシネマカメラと下位機種のようなもので、YouTuberの撮影やVlog撮影に特化した比較的安価なカメラになります。
SonyだとZV-E10、NikonだとZ30、LUMIXだとDC-G100、などなど。いずれも10万円しないくらいの価格帯で、「ボケがきちんと出て高画質」なカメラとなっています。
いきなり高価なミラーレス一眼やシネマカメラに手を出すのが怖い…という方は、まずはVlogカメラに手を出してみましょう。
テクニック
- カメラの露出設定
- マニュアルでピントを合わせる
Vlogカメラを使えるようになると、スマホとは違い「露出設定」というものを考える必要が出てきます。スマホはこのあたり自動で設定してくれていましたが、Vlogカメラになるとマニュアルでの設定もできます。
露出設定とは、シャッタースピード、絞り(F値)、ISO感度と言った動画の明るさを調整する項目の総称です。これらを適正な数値にすることで、「ボケ」の表現などができるようになります。
少しだけ具体的に触れると、シャッタースピードは60か100、絞りはなるべく低く(F3とか2)、ISO感度は状況に応じて変えていきます。この設定をしていれば、動画の「ボケ」をコントロールできます。
ただし明るすぎる場合はF値を上げてください。(その場合ボケ味は薄くなります)
また、動画にボケが出るということは、ピントを自分で合わせれるということになります。スマホだとタップしてピントを合わせていましたが、マニュアルでフォーカスを触ることでピント送りや効果的なボケの演出が可能です。
上級ステップ
最後は上級ステップの解説です。ここまで来ると一般的な動画撮っている方とは頭ひとつ抜けて綺麗な動画が撮れるようになっていると思います。
必要な機材
- より明るいレンズ
- ミラーレス一眼
中級ステップで少し触れましたが、上級になると上記の機材を揃えてみましょう。もしあなたがレンズ交換式のVlogカメラなどを持っている場合、次に必要なのは良いカメラではなく、実はより明るいレンズだったりします。
明るいレンズ、とは絞りであるF値の最低値が低いレンズになります。中級ステップで紹介したVlogカメラに付属しているレンズの多くは、このF値が3~4が最低値となっていますが、それより低い値のレンズを買ってみましょう。
実はこのF値が低いほど綺麗なボケが出るので、良いカメラよりまずは明るいレンズを買うようにしてみてください。
その後に、カメラ自体の性能や解像度、色調などに物足りなさを感じたらいよいよミラーレス一眼へステップアップします。
テクニック
- ボケを効果的に使う
- ライティングも意識してみる
中級までのテクニックを習得していれば、実際はもう綺麗な動画を撮るテクニックはほぼほぼ取得しています。正直に言うと、最近はカメラの性能が高いので、そこそこのカメラを持っていれば綺麗な動画は誰でも撮れるんですね…。
ただより綺麗な動画の高みを目指すために、いくつかテクニックを紹介します。
まず、中級ステップでボケはコントロールできるようになったかと思います。しかし実際の編集後の動画で、「ボケていればいい」というのは凄く安易です。この「ボケた切れな動画」をどうすれば効果的に使えるのか、考えながら撮ってみてください。
例えば、人の寄りで背景をボカしたカットに続き、全体にピントがあった広い画を続ける、など動画全体で緩急を持たせてみます。
また、ライティングも意識してみてください。何も照明機材を買えとは言いませんが、自然光を使って映したい被写体に陰影をつけてみます。
これらのテクニックを日々研鑚していくことで、他の人とは違う「綺麗な動画」が撮れるはずです!
まとめ
長くなりましたが、今回は綺麗な動画を撮るためのステップを初級から上級に分けて、機材とテクニックで解説してみました。
是非ご参考にしてもらえれば幸いです!