巷で話題になっている、動画のインハウススタジオ。これはInstagramやYouTubeなどに、映像のプロに頼むほどではないけど、映像を継続的にアップするため社内で映像制作を行う所謂”業務の内製化”です。
内製化とはそもそも何なのでしょうか?僕たちがNAISEIというサービスで内製化支援を行っている現場でみてきた、メリットとデメリットを紹介します。
内製化って何?
ぼくらが提供している、クリエイティブ制作の内製化支援サービス。
これは、その名の通り”デザインやWeb、映像制作などのクリエイティブ領域”の内製化を支援するサービスであり、「内製化」という言葉を取ってみると色々なシーンで使われる事も多いです。
そんな「内製化」とは、広い意味でどういった事を指すのか見ていきます。
外注していた業務を社内で行う
内製というのは、どんなジャンルの業界にも当てはまる言い方です。例えば自社で工場を構えて、自社で商品を一から作ることも内製になります。というか、一般的にはこういったことが内製という言葉が差す意味となります。
しかし最近では、様々な業務を自社の社員に覚えてもらって、内製化するという流れも出てきています。例えば、毎月外部に委託して制作していたチラシを、社内でデザインソフトを扱える人を育て、全て社内で完結できるようにします。
こういった、工場など有形のものを作るのではなく、業務自体を社内で行えるようにすることが昨今の内製化の流れです。
ジャンルは様々
先述の通り、内製を行うジャンルは様々あります。クリエイティブ領域においては、冒頭で書いていた「映像制作」や、「デザイン」。さらに更新頻度の高い「Web」などが内製されています。他にも、経理など、専門的な領域を社内に落とし込んで内製化します。
ジャンルは様々ですが、業界は基本的に問わずに行うことができます。どんな業界の会社でも、今は自社ホームページを持っていると思います。ホームページひとつとっても、「映像」や「デザイン」、「Web」全てが絡んでくるので、継続的に更新を行う指針の場合は、これを内製化することができます。
もちろん、マーケティングの施策にもよるのですが、内製化できるジャンルは様々あります。
内製化のメリット
それでは内製化するメリットは、どこにあるのでしょうか?私たちがサービスをご提供しているクリエイティブ領域の内製化についての事例をご紹介します。
意思疎通が円滑化
例えば、社内でチラシの制作を行う場合、今まで外注のデザイナーや広告代理店と行っていたやりとりを、社内で行うことになります。
単純に何かを作るということは、それだけ作るものについて話合う必要があるため、必然的に社内でのコミュニケーションは増えていきます。
これにより、マーケティングの観点からも、「自社のテイスト」や「自社らしさ」、つまりブランディングについての理解が浸透し、商品や会社に対しての明確な意見が出やすくなります。
また、社内で何かを完結して作ることができれば、社外とのやりとりが減り、スピード感も上がります。
ただし、「面倒臭い上司とのやりとりが増える」みたいなことにも繋がるため、その内容や質には気をつけなければいけません。
ノウハウの蓄積
これまで外注していた業務が社内で行われるため、企画から制作、活用までの流れを全て社内で把握する事ができます。
これらのフローを把握することで、専門領域でのノウハウが社内にどんどん蓄積されていきます。
このノウハウ蓄積により、一度制作部門が確立されれば、次の世代…また次の世代へと、ノウハウを蓄積しながら強い組織を作っていくことが出来ます。
コスト削減
単発の制作で目先のコストだけを見比べてしまうと、それほど強めメリットを感じないかもしれませんが、中長期的に見れば上記のメリットに加えコスト的な面でも利点があります。
例えば毎月イベントチラシを5万円でデザインを外注に依頼して制作している会社があれば、単純に一年で60万円のコストカットに繋がります。
さらに、それ以外の業務でもデザインのノウハウを使うことができるので、会社としての動きはかなりスピードアップします。
特にコスト的メリットを感じるのは、2年目以降です。前年のノウハウを活用し、前年よりスピーディかつ高クオリティの制作が実現できます。
社員の働き甲斐増加
新しい知識や技術を身に着けることができる、ということを会社が進んでしてくれると、社員の働き甲斐にも繋がります。
Googleなどの有名企業は社内教育に力を入れているように、社員のスキルアップが会社の成長へと繋がります。
ここからは制作側の勝手な意見になるのですが、やはり絵を描ける、写真を撮れるなど、どれだけ小さなことでも何かを作れるという技術を持っていると、仕事だけでなく人生も豊かになります。
内製化のデメリット
内製化のメリットをご紹介してきましたが、全ての企業に内製化が最適でない場合もあります。
これからご紹介するデメリットも把握したうえで、今のみなさんに内製化が最適かご検討ください。
制作頻度によってはコスト的なメリットが出ない
明確に「毎月これくらいの制作物があります」という指標がない場合、内製の費用とそれ以降の人件費を考慮したら、損と感じてしまうかもしれません。
単純に制作物が思っていたよりも少ない場合、やはり内製化した後のスキルレベルもそれほど上がりませんし、効率も悪くなってしまいます。
逆に多すぎる場合も、社員の仕事を圧迫していき、人件費がかさんでしまいます。
社員の同意を得る必要がある
これが究極のデメリットになり得ることですが、そもそも内製化でスキルを身につけてもらう社員の同意が無いと、効率的な内製化は行えません。
会社に言われてやらされている、では嫌々やっていることになり、やはり身につくスキルも身につきません。きちんと説明し、必要であれば報酬も追加し、社員の100%の同意が無いと内製化で専属のスタッフになることは難しいです。
僕たちも経験があるのですが、社長の一声で3名のスタッフにWebのノウハウを教えて、内製化を計りました。しかし、どうしても「私の仕事じゃない」という人は出てきて、業務自体が進まなかったり、クオリティの低いやっつけ仕事が出てきたりしました。
どこまで行っても”兼業”になる
例えば、商品企画をやっている社員がデザインの知識を身につけ、簡単なチラシを作れるようになったとします。形あるチラシに自分で落とし込むという作業を通じ、商品のコンセプトやテイスト、ターゲットなど、チラシを作るうえで必要な情報をより正確に考案できるようになりました。
しかしこの人は、どこまでいっても”デザインのできる商品企画の人材”という兼業で止まってしまいます。
当然のことながら、よりクオリティの高い制作物が必要な場合は、外部のプロに頼らざるをえません。また、そういったプロが社内に欲しいのであれば、専属で新しい人を入れた方がコストも業務効率も格段に良いです。
内製化の無料相談会を実施しています。
とは言え、いざクリエイティブの制作を内製化しようと思っても、どういったところから着手して良いかわからない…という方も多いはずです。
そこで、Sokoageでは私たちがご提供している『NAISEI(内製化支援サービス)』のご案内も含めて、企業のクリエイティブ内製化についての無料相談会を開催しております。
これまで、数多くの企業の内製化支援をお手伝いさせて頂いた、確かな実績をもとにみなさまの内製化支援の進め方についてご提案させて頂きます。
まとめ
「働きがい」や「スピード感のある発信」が必要となってきている時代で、”内製化”というキーワードはじわじわと上がってきています。
しかし、内製化にもメリットとデメリットがあり、”どの領域をどのクオリティで”会社から発信するのかを考えていかなければ、損をしてしまう可能性があります。
中長期的な視点で強い組織を作ろうと考えているのであれば、この内製化を強くオススメしますが、状況によっては上手く内製化を進められない場合もあります。
自社のこと、担当者のことをよく考慮した上で内製化は進めていく必要がありますね。